境界要素法を用いた音場解析

2001年 1

Aoki Applied Acoustics. Co., Ltd.

青木応用音響 株式会社

1.       境界要素法による音場解析

室内及び建物外部において、その音場を予測することは、騒音を制御するという観点から考えても重要なこととなる。しかし多くの場合、壁や様々な構造物による反射、回折などの影響により音場が複雑となり、波動音響学的にその音場を予測することは困難となる。

境界要素法とは、このような複雑な音場に関して、音源、構造物の境界(例えば壁の表面)及び受音点の関係を表すHelmholtz-Huygens積分方程式を離散的に解くことで、解析的に音場を予測する手法である。

2.       境界要素法

 図に示すような音場に音源S、物体Vが存在する場合、受音点Pでの音場は、Helmholtz-Huygens積分方程式により、以下のように表される。


 



この式は、右辺第1項が音源から受音点への寄与、第2項は物体表面で反射したものの受音点への寄与を表す。

この積分方程式を離散化し、連立一次方程式を解くことにより、離散化した物体Vの表面での音場が求まる。つまり、物体Vの表面に仮の音源が無数に存在する形となる。

これらと音源Sからの寄与を合成することにより。受音点Pでの音場が求められる。



3.       特徴

【利点1】波動音響学的に予測することが困難な、複雑な音場においても、数値解析的に予測可能。

【利点2】境界条件を正確に設定することで、実際に実験を行うのと同様な予測が可能。


4.       予測例

 

図(上)空中に存在する板を駆動した場合の放射音場(地面反射を考慮)


図(左)円筒断面における断面方向のモード解析



トップページ |業務経歴 |主要実績 | 保有技術の紹介 | 研究発表 Tips & Tools設備などお問い合せ  

Copyright (c) 2000-2009 Aoki Applied Acoustics Co., Ltd. All rights reserved
.