管内の断面方向に生じる共鳴に関する検討*


阿部宏一,青木雅夫(青木応用音響)
*Study on normal mode in section of pipes.
Koichi Abe, Masao Aoki (Aoki Applied Acoustics Co., Ltd.)

日本音響学会講演論文集(1998年9月、1015-1016)


 種々のパイプ(管)が一般生活の場で用いられている。これらのパイプの中を音が伝搬する場合、特定の周波数が強調されて伝播する現象がみられる。

 この現象は、管の断面方向に生じる共鳴現象と考えられる。すなわち、平行平面の間に入射する平面波の進行方向が、平面と平行でない場合、平面波は面で反射しながらジグザグに伝播することになる。
 このため平面に入射する音と平面から反射する音により干渉が生じ、断面方向に共鳴が引き起こされる。

 今回、この現象を境界積分法により数値計算を行い、実験値との比較を行った。その結果、管の断面方向で、大きく分けて2種類の共鳴モードが生じることを確認した。