振動膜(板)から発生する低周波騒音のANCによる騒音対策

−模型実験による検討−   

2004年1月
Aoki Applied Acoustics. Co., Ltd.
青木応用音響 株式会社

1. 概要
 ANC(アクティブノイズコントロール)技術を用いた騒音対策は、空調ダクトや煙道などの騒音対策などに実用化されている。
 今回弊社では、振動膜(板)から放射される騒音を効果的に低減する手法の特許を申請している(出願番号:特願2002-106303)。
 この内容は、膜や板から放射される騒音が、放射面の表と裏で位相が180度異なっていることに着目して、それぞれの放射音を同時に低減させる方法である。 その概要を右図に示す。
 振動している板からの放射音は表裏で位相が180度異なって放射されている。もととなっている信号を参照センサーで収集し、表裏それぞれに逆相の音を放射するような信号をコントローラーで作成し、更に監視センサーの位置での音圧を0にするように自動調整するシステムである。
 音響管は、低周波音域での音の再生を能率よく行うためのものであり、対策周波数の波長に合わせて、長さを調整して設置する。

2. 半無響室における模型実験
 床が反射面になっている半無響室に模型を設置し、実験を行った。対象を振動ふるいに設定し、概ね1/5程度の縮尺とした。実験は、900×1,800mmの合板の中心に300φのウーハ-を設置し、80Hzの純音性の騒音を発生させた。対策用のスピーカは、125φのものを用い、150φ、長さ2,000mmのパイプの中央部に設置した。

3. 実験結果
 実験の結果を下図に示す。 測定域全域で20dB以上の効果、最大で約35dB。

4. 応用分野
   ・振動ふるいなどの騒音対策。
   ・スピーカの再生域の低域化により、道路響から発生する低周波音の対策。

参考文献:出願番号:特願2002-106303 「電子消音システム及び音響信号発生装置」


トップページ |業務経歴 |主要実績 | 保有技術の紹介 | 研究発表 Tips & Tools設備などお問い合せ 
Copyright (c) 2000-2009 Aoki Applied Acoustics Co., Ltd. All rights reserved.