青島パルス(TSP)による音響伝播系の測定システム
2000年8月
Aoki Applied Acoustics. Co., Ltd.
青木応用音響(株)
音源から、複雑な音響系を通過して受音点にいたるまでの特性は、インパルスレスポンスを計測することにより明確にすることができる。一般的には継続時間の短いパルスを発生させてそのレスポンスを取得する方法があるが、信号のエネルギーが非常に小さいため、外乱の影響を受けやすい。
これらを避けるため、青島パルス(TSP:Time Stretched Pulse)法、M系列信号と行列演算による方法などが考案されている。ここでは、音響系の揺らぎ、変動の影響を受けにくいTSP法の紹介を行う。
TSP信号は、青島パルスから改良を重ねられ,現在では右式に示されるものが使われている。
・低周波域から高周波域まで各周波数をスイープすることにより、大きなエネルギーをもった音響信号からインパルスレスポンスを計測できる。
【利点1】 暗騒音の影響が大きい環境下での測定が可能。‐15〜-20dBのS/N比でも可。
音圧波形そのものを信号処理するため、伝播系に位相変化などの揺らぎがある場合、正確なレスポンスが得られない場合がある。そのような場合には、別の測定方法(M系列変調相関法)の適用が望ましい。
参考文献:青島伸治,「パーソナルコンピュータを利用した信号圧縮法によるパイプ内音場の測定」,日本音響学会誌、40,146-151,1984
鈴木陽一 他、「音響系の伝達関数の模擬をめぐって(その2)」、日本音響学会誌、45、44-50、1989.
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