耳鳴りの原因を見直しましょう(もしかしたら身近な所に原因があるかもしれません)


外耳道の炎症や耳垢
 あなたが耳鳴りを経験する時、これは最初にチェックするべきです。

重症の急性中耳炎、外耳炎
 多くの耳鳴りが重症の耳の感染症の後に起こります。多くの原因は炎症が奥まで広がり内耳炎を起こすことですが、まれに内耳毒性の抗生物質の使用と関係があるかもしれません。

高脂血症
 高い血液コレステロールは、内耳の神経に酸素を供給する動脈を閉塞させます。あなたのコレステロール値の減少は耳鳴りを小さくするかもしれません。

内頸動脈などの走行異常:
 動脈が、内耳組織あるいは内耳神経を圧迫しているかもしれません。これは、微少血管外科によって治療可能な場合もあります。

ストレス:
 ストレスは耳鳴りの直接の原因ではありません。しかし、ストレスは一般に既にある耳鳴りを悪化させます。

食事および他のライフスタイル:
 上記のストレスのように、片寄った食事は、耳鳴りの状態を悪化させることがあります。アルコール、タバコ、カフェイン、高い脂肪、高い塩分はすべて耳鳴りをより悪くすることがあります。

脳圧の亢進:
 頭蓋内の高血圧症は、脈打つ耳鳴りを引き起こすことがあります。あなたが、耳鳴りのする側の首を少し圧迫することで、耳鳴りを止めることができれば、この病気が考えられます。確定するための検査はは、脊髄穿刺です。この場合、あなたの脊髄圧の初圧は200を越えます。

精神的外傷や頭部外傷:
 以前の報告から、いくつかの自動車衝突事故は、後遺症として耳鳴りを起こしました。

歯の治療
 困難な抜歯や歯の削開、および超音波洗浄のような歯の治療は、大きな音の骨伝導によって耳鳴りを起こすことがあります。昔、使われた水銀アマルガムによる歯の補綴も原因になることがあります。

脳外科疾患:
 脳外科の手術は頭蓋骨を削るため、後日、耳鳴りを起こすことがあり、アーノルドチアリ奇形(ACM)でも難聴や耳鳴りを起こすことがあります。

医薬品によるもの
内耳神経毒性の薬:
多くの市販薬が耳鳴りや、可逆的、非可逆的な難聴を引き起こすかもしれません。医師の処方薬で治療を始める前に、耳鳴り患者は、常に耳鳴りが悪化する可能性や、内耳神経毒性の副作用を医師や薬剤師に聞いてください。以下の薬はその可能性を含んでいます; サリチル酸塩鎮痛剤(アスピリンのより高用量)、ナプロキセン・ナトリウム(ナプロシン、Aleve)、イブプロフェン、他の多くの非ステロイド性の抗炎症剤、アミノグリコシド系抗生物質、降圧剤、利尿薬、キニーネ/抗マラリア薬、経口避妊薬および癌の化学療法。

大きな音
大きな雑音の過剰曝露
 銃のような大きな雑音を繰り返し聞くことや、板金、航空機、芝刈り機、映画館、換気扇、大きな音の音楽は永久的な聴力障害を引き起こすことがあります。何人かの人々は、窓を開けた自動車で携帯電話を使うと聴覚の疲労を感じます。これらの危険性のある人は耳栓を着用することを考慮するべきです。

MRIなどの非浸襲性の診断機器:
 これらのハイテク器械は、我が国ではたくさん普及しているけれども、十分な耳栓を着用せずに検査を行っています。どんな有能な病院でも耳栓を供給することが必要です。

症候群
顎関節症候群 :
 このあご障害は耳鳴りを引き起こすかもしれないし、頭痛を含む多くの徴候によって、特徴づけられます。耳痛、あごの筋肉の違和感、不活発な顔の苦痛、あごを動かしたときの雑音、ロックしてあごが動かない、また咀嚼時の痛みがあれば、この疾患を疑ってみてください。

まとめ

 キシロカインは神経細胞のナトリウムーカリウムチャンネルの阻害が作用機序なので,何らかの異常な神経活動が耳鳴りの原因だろうけど,すべての症例に効かないのはそれ以外の機序が存在していると思われます.たとえば,中枢からの遠心性繊維による外有毛細胞の振動などが考えられます.聞こえが悪い人はこの振動が大きくなっていると予想されます.このタイプには抗不安薬が効くはずですが,使ってみると眠気などの副作用が多く,全例に使えるとはいえないようです.神経伝達物質にはまだわかっていないものもあるので,これに選択的に効く薬があれば眠気などの副作用が無く耳鳴りに効く薬が出来ると思います.カリウムチャンネルの選択的ブロックでは不整脈治療薬にありますが、間質性肺炎の副作用があります。同じ作用を持つ漢方薬(黄連など)では副作用が少なく、使いやすいようです.

 耳鳴りがする人の生活環境で共通するのは騒音です。80db以上の音はどんな音でも難聴や耳鳴りの原因になります。もし、親戚や親に耳鳴りがして、騒音の大きい場所で働くときは、耳栓やヘッドフォンが必要です。耳栓は付けるのが面倒だし、労働者たちも聴力にまで関心がないため、更に防音グッズは日本では手に入れにくい。アメリカではたくさんの種類の防音グッズが販売されています。それからたばこも耳鳴りや突発性難聴の原因になります(それも治りにくいタイプ)。パチンコ屋の出口で聴力検査をしたら全員が感音難聴でしょうね。


最初に戻る