近未来の医療について

 まず,手術適応はどんどん少なくなるでしょうね.誰でも手術しないで薬で治るのなら,そちらのほうがいいし.たぶん未来では悪性腫瘍以外のほとんどの病気は薬で治るはずです.(違っていたらごめんね).最終的には遺伝子治療がすべての病気を治せるということで,たくさんの企業や研究機関が参入しているけどすぐには期待できないから,しばらくはこのままかな?

 救急治療では気管内挿管のいらない人工呼吸なんてどうでしょうか?どうやるかといえば肺呼吸をすべて皮膚呼吸に置き換えられないかということです.具体的には背中にガス交換用のシールを貼るなんてどうでしょうか?もっと進めばこれ一枚貼れば20分水の中にもぐれますよという商品も出てきそうです.これなら,素人でもテープを貼るだけで呼吸困難を起こしている人を助けられそうです.

 それからカレー事件で砒素の判定に使われたスプリング8でしたっけ?あの強力な光でレントゲンの代わりにすることはできるのでしょうか?光CTとかね.これなら,放射線障害も無いし,レントゲン室のシールドが要らないので診察室のすぐそばで検査ができますね.ついでに言えばレントゲンもCTもMRもフィルムじゃなくて紙に印刷できるようになるでしょう.これなら,カルテにそのまま貼れるし,フ古いフィルムの廃棄による環境汚染もなくなります.これはもうすぐでしょう.エコーはすでに紙に印刷していますから.

 と,予想をしていたら放射光を利用したレントゲンは今月(7月号)の日系メディカルに載ってましたね.うーん,人間の考えることはみんな似ているてことですか.また新しいこと考えよーと!

 脳外科や耳鼻科でも手術にかなりCTに組み合わせてコンピューターが導入されているけど,これですばらしい治療ができるわけではなく,医者の間の技術の格差が無くなるのが大きなメリットですね.ただ新しい手術法はこれからも出てくるでしょうから,これについてはその医者の技術力(芸術のほうがいいかも,技術はすでに確立された方法でいかにうまく行うかですので)が発揮されるでしょう.

 その前に,本当は増えつづける老人問題(この言い方はあまり好きじゃなくて人生哲学上の問題というべきでしょうか?)を解決しなくちゃいけないですが,アメリカ的な考えならとにかく長寿と延命を重視した治療,日本的なら世代が代わるのは自然なことと受け止める人もおおいようです.(アメリカでもアジア系の住民は臓器移植に納得していないヒトが多い)今は,日本もかなりアメリカナイズされているようですし.たぶんアメリカに引きずられるだろうから,何が何でも最新治療,延命,臓器移植ですかね.

 機械については何でも小型化するでしょうから,バッテリー駆動の小型レントゲン(これはすでにアメリカで出ているけど日本では未認可)とかね.現在の医療機械は大きいものが多く,診療室の3分の1ぐらい取られています.バッテリー駆動の医療機器が増えれば災害の時も便利だしね.

 書いてみてわかったけどこの予想は難しいですね.あまり,勝手なことは言えないし,今,何とか実現しそうなものをあげてみました.ということで,この続きはもう少し資料を集めてみないとかけません.勢いではじめてみたけどちょっと後悔.

 依存性のない精神病薬はこれからは普及するのではないのでしょうか?これほど社会が複雑になり人間関係の難しい時代はこれまでなかったわけですから,おだとお金もかかるしまた,体にも悪いし依存性もあるしと言うことで簡単に薬でストレスが解消されたら需要も伸びるでしょうね.今度出た日本で最初のSSRIも眠気や抗コリン作用などの副作用があるみたいですが,お酒から比べれば少ないですね.やめればすぐ直る副作用だし,もともと,アメリカではスーパーのドラッグストアーでも購入できるくらいだから副作用は少ないのでしょうね.日本の薬事法よりアメリカのFDAのほうが信頼できるでしょうからまず,長期に服用してもいいでしょう.(私も日本で新規に承認された薬はFDAで承認されているか調べてから使うようにしています)これからは,仕事の後はお店で薬を買ってみんなで愚痴を言いながら薬を飲むのが普通に見られるようになるのでしょうか.すでにSSRIは世界で一番売れている薬になっています.

 未来に向けて難病もだんだんその原因が分かるようになり,そこで大胆にも原因から病気を分類してみました.4つに分類できると思うけれど...ついでにその治療も考えてみました.

1.遺伝病.これはもう遺伝子治療につきるでしょうね.

2.免疫病.かなりの数の難病がここに含まれるでしょう.治療は,骨髄移植がいいでしょう.治る病気としてはベーチェット病,多発性硬化症,重症筋無力症,SLE(全身性エリテマトーデス),再生不良性貧血,強皮症,皮膚筋炎,多発性筋炎,ITP(特発性血小板減少性紫斑病),結節性動脈周囲炎,潰瘍性大腸炎,天疱瘡,クローン病,悪性関節リウマチ,ウェゲナー肉芽腫症,特発性拡張型(うっ血型)心筋症,表皮水泡症,膿疱性乾癬,原発性胆汁性肝硬変,混合性結合組織病,原発性免疫不全症,特発性間質性肺炎,原発性肺高血圧症.これらはいままで何らかの免疫異常と言うことはわかっており,ステロイドや免疫抑制剤が使われていました.これ以外にもステロイドの効く病気なら骨髄移植が効果があると思われます.

3.感染症.過去の病気と侮れません.今まで原因不明の疾患も感染症が原因だったことは,最近の研究でわかりましたから(C型肝炎,慢性胃炎,胃潰瘍,子宮頸がん等).治療は病原体の駆逐,ワクチンですかね.植物みたいに感染しにくくする遺伝子治療もあり得るけれど人間には多分応用できないでしょう.

4.生活習慣病.虚血性心疾患,脳梗塞,ガン(3大死因と言われている疾患).これらはもっと健康指導や社会の構造改善で少なくなると思われます.

 私の専門の聴覚では補聴器の発展が期待されるのですが、どうも儲からない分野は、技術革新が遅いように思います。言葉をゆっくり再生する技術などは基本は10年前にできているけど未だに小型化されていません。(難聴者と話すときはゆっくり話すことが基本です!)あとは、人と話したいという意欲が必要です。話好きの人は難聴になっても読唇でかなり会話ができます。

 もっとも人工内耳ももっと蝸牛のことがわからないと補聴器と同じようにいろんな音が増幅されるので、これ以上はもっとマイクの指向性をあげて自分と話している人の声をコンピューターが判定して自動的にフィルターをかけるようにしてほしいです。最初からは無理だから人の声用のフィルターを開発してほしいです。フィルターももっと細かくかけることができるときっとできると思うのですが、どこかのメーカーで開発してくれないかな?きっと画期的な補聴システムだと思うけど。

 未来の医療はどうなるかと言えばほとんど薬で治るようになり予防医学が発達するでしょう。これに反する生活習慣は法律で規制されるようになるかも?医療費を抑えるのにはこれが一番いいことかもしれません。病人がいなくなれば医者も健康コンサルタントになるでしょう。美容整形などはまだまだ仕事があるでしょうが、遺伝子で美人の遺伝子がわかればみんなそちらの方が手軽なので仕事が無くなるかも?(でも、何でみんな、美人を好むのだろうか?美人の方が遺伝的に異常が少ないとは言われているけど、美人ばかりが生き残らないと言うことは人の好みはいろいろあるということかな?)


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