健康法と自然医学(訳)1

 

 

 


 

 

Change Your Genes, Change Your Life::

Creating Optimal Health with the New Science of Epigenetics

 

 Pelletier, Dr. Kenneth

(自分なりの抄録です。誤訳があるかもしれないので、心配な方は原著を参照してください。)

 

DNAだけでアナタの運命は決定されないということが、最近の研究でわかりました。エピジェネティックは遺伝子を発現するため、生活を変えれば、遺伝子も変わります。

文の前の番号は原書でのページになります。

 

 

 

この本を読む前に頭に入れておくべき知識。

1.酸化ストレスは体が過剰な酸化副産物を排除できない場合に発生する。

2.炎症がほぼすべての慢性疾患の主要な危険因子である。

3.免疫は感染から私たちを守る重要な機能である。

4.解毒は細胞レベルで私たちの重要な機能である。

5.脂質代謝は食事で改善できる。

6.ミネラル代謝はその他の代謝がうまくいっているマーカーになる。

7.メチル化はエピジェネティックの重要なスイッチである。

 

アルツハイマー病の治療には断食がよい。

たとえ半日の断食、月に一回、週に一回でもよい。

エピジェネティックという作用があるため、CRISPERの容易な使用は危険である。

健康で長生きするには、赤身肉を避ける、毎日の運動、家族や町内での社会的支援、石油化学製品を使用を避ける、強い人生の目的意識、死への恐怖がない、精神的目標を持つなど。

正しい食事やサプリメントは治療よりも効果がある。

予防が将来の医者からの治療や、薬の副作用を避けることができる。

エピジェネティックな作用を発現することこそ、人類の健康に役に立つ。

エピジェネティックのバイオマーカーの主要な一つはCRPである。

アルツハイマーもエピジェネティックが関与している。

髪の毛の色は完全に遺伝子である。

エピジェネティックのバイオマーカーは過剰診断につながる。

人の遺伝子数は2万であり、その97%ジャンクDNAである。

そのダーク(不明な)ゲノムはエピジェネティックに関係している。

それらはRNAを形成しているが、そのRNAの機能はわかっていない。

65 前立腺癌の遺伝子治療もDNA間の遺伝子(エピゲノム=ジャンクDNA)への治療で感受性が向上した。

69 自閉症もエピゲノムの3つの遺伝子が関連しているため、発現したりしなかったりする。ストレスに伴う大うつ病も2つ、ミトコンドリアとテロメアに存在する。遺伝子的に関連のないクローン病と黄斑変性症も関連性がある。

70 それ以外に2型糖尿病、黒色腫、クローン病、パーキンソン病、前立腺癌が関連あることがわかりこれらの疾患の予防や治療に共通のことがある。これらがストレスホルモン(ステロイド)で惹起されるのは興味深い。癌遺伝子よりも変異した遺伝子に基づいて化学療法を行う方が望ましい。

78 炎症を起こす原因として、外傷、うつ病、仕事のストレスなどが特定の遺伝子の炎症スイッチを入れる。ある種の飽和脂肪酸を過剰に摂取すると炎症遺伝子がオンになる。これらが動脈の炎症を起こし心臓病を惹起する。

79 しかし、遺伝子に及ぼす影響は非常に複雑です。

81 有毒な酸化は食生活の乱れ、ストレス、毒素、感染症で生じます。

82 トマトジュースとクルミが酸化遺伝子をオフにする。

83 そのほかにはブルーベリーや赤ブドウ、赤キャベツ、レモン、ニンジン、オレンジ、緑茶、緑黄色野菜など天然色素を含む食品です。ビタミンAC, E、コエンザイムQ10、アルファリポ酸、葉酸、亜鉛、マンガン、ベータカロチンです。

慢性炎症は、心血管疾患、肥満、骨粗鬆症、癌、炎症性腸疾患、歯周病、関節リュウマチ、ぜんそく、アレルギーを起こす。そしてその原因は赤身肉である。

84 炎症は傷口を見ればわかるが、細菌に対して毒になる物質を白血球は分泌し、その後炎症を抑える物質を分泌する。

しかし、慢性炎症では炎症を抑える段階が起こらない。

この炎症を抑えるために毎日、緑の野菜、ピート、チンゲンサイ、ブロッコリー、ナッツ、ベリー、ショウガ、オメガ3魚油、ココナッツオイル、エキストラバージンオイル(単枝飽和脂肪酸)

アレルギーと自己免疫疾患は同じ遺伝子に関連している。

88 現代、多くの毒素が空気、食物、水に含まれている。

農薬はたいてい神経毒を使っている。食品添加物(人工着色料)は子供を多動にする。

これらは気分の変化を起こし、攻撃的な行動、うつ病、集中力の散漫、睡眠障害、知能の低下、記憶喪失を起こす。

解毒にはブロッコリーキャベツ、タマネギ、ネギ、アスパラガスなどが望ましい。ぶどう、ベリー、緑茶、ハーブ、スパイスである。また食後のマグネシウムは便秘を解消し、毒素を排出する。

91 毒素が蓄積すると、口臭、痛み、風邪症状、疲労、空腹、イライラ感、皮膚のかゆみ、吐き気、不快な体臭、長すぎたり短すぎる睡眠が現れます。

しかし、毒素を体から出すときも13日間、同様な症状を起こす。

水はペットボトルではなくガラス瓶を使ってください。

93 皮膚は体の中で最大の排泄器官なので、サウナや温かい風呂に20分間入るのがいいです。これを続ければ3−7日で気分が良くなる。

94 脂肪はどのような種類の脂肪を摂取するかが重要です。

牛肉、バター、チーズなど飽和脂肪酸、マーガリン、クッキーなどのトランス脂肪酸を減らしましょう。

ナッツ、アボカド、オリーブオイルの単鎖脂肪酸を増やす。

不要な炭水化物(精製小麦粉)を減らす。

ブロッコリー、カリフラワーなどの野菜は抗癌因子を持つ。

ダイエットレスポンダー(ダイエット効果の出やすい人)はDNAメチル化(発がん作用)が少ない。

97 約半数は塩分に敏感な人で、それ以外の人は塩分をとっても高血圧になりません。

98 DNAメチル化はメチル化する場所が増えるほど、そのDNAの働きを変えてしまう。がん抑制遺伝子の場合、致命的です。

99 エピジェネティック因子は遺伝するのか?たとえば妊娠中の食事にエピジェネティックな因子によって遺伝子に影響する。

100 妊婦の栄養状態が悪いと、メチル化が傷害されVitB2,6,12の供給不足が起こります。

101 毒素の影響は何年にもわたり続く。

102 アメリカでは喫煙やアルコールによって(19651995)健康が低下している。

104 食事は1日で腸内細菌叢を良くも悪くも変化させる。

そして、腸内細菌叢がその人の好みを変化させる。

105 果物、野菜、ナッツ、種、全粒穀物、赤身以外の肉を摂取しBMI30以下に保った場合、8年後は慢性疾患を併発するリスクが減少した。このレジメには健康な食事と適度な運動(毎日30分以上)が必要です。

106 現在ではコレステロールは善にも悪にもなります。飽和脂肪酸(赤身肉やトランス脂肪酸)は悪いままです。多くの人が低炭水化物、高脂肪、高タンパク質を多くの人が推奨します。

107 しかし、高タンパク質低脂肪を推奨する研究者もいます。

108 現在のダイエット食品で効果のあるものはない。36ヶ月で13%の現象である。

長期的には効果はない。

109 ペガンダイエットとは小麦砂糖乳製品を減らしたものである。

110 地中海式ダイエットは最も優れている。野菜、豆、全粒穀物、ハーブ、スパイス、ナッツ、種、魚、海産物をたくさん含み、鶏肉、卵、オリーブオイル、チーズ、ヨーグルトを適度に含む。バターをオリーブオイルに置き換えること。

111 その効果の原理についてはまだ不明である。特に心血管系に効果がある。

112 エクストラバージンオイルは心血管病と糖尿病を低下させた。

女性ではテロメアの延長が見られた。

113 テロメアが短いとがんの発生率が23倍になる。

114 完全な菜食主義じゃなくても同等な効果が得られる。

115 週2で魚料理を食すと有意差がある。脂っこい魚が良い。

116 魚の水銀などの汚染物質のデメリットは得られる利益より小さい。

117 養殖された鮭はオメガ6や不適切な飽和脂肪酸が多い。

低体重児も地中海式ダイエットでは出生が少なくなる。

118 良い食事が認知機能を向上させる。反対に血糖コントロールが十分でないと40歳でも認知症を発症する。2回目の研究では果物、野菜、ナッツ、大豆たんぱくがDM、脳卒中、心臓病を認知症を減少させる。

119 地中海式食事は脳も健康になる。オリーブオイルは記憶力をナッツは実行力を向上させたが、低脂肪は認知機能を低下させた。

少量のアルコールは体に良いかどうかです。赤ワインはポリフェノールを含む。しかし良好な結果を示したのは若い男性と高齢の女性のみであった。

120 アルコールは少量であっても、脳の容量を減少させる。50歳の人が毎日1単位以上のアルコールを接種すると、2歳脳の萎縮を早める。

121 まずジャンクフードを食べないこと。それらには遺伝子組み換え食品、砂糖、精製された穀物であり、不安、うつ、ニキビ、湿疹、ライム、腸の、ぼんやりした頭脳、体重増加、片頭痛、めまい、感染、自己免疫の病気を引き起こします。それらは遺伝子に損傷を与え、肥満、認知機能障害、痛み、アレルギー、不妊症、心臓病を引き起こす。

123 肥満を起こす原因は、あらゆる形態の加工された砂糖です。

124 砂糖入り飲み物と一日あたりのテレビの視聴時間に相関する。他のどの要因よりも重要である。

抗酸化食品で最も有用なのはベリー類です。

認知機能は砂糖と工業化された穀物に関連する。

127 血糖負荷の高いじゃがいも白米、甘いデザート、炭水化物は炎症に関連しています。

128 ナッツ、種子、ベリー、オリーブオイル、にんにく、生姜、ターメリック、ケルセチン(りんご、玉ねぎ、チェリー、柑橘系果物、濃い色の葉物植物ブロッコリー、紅茶緑茶)、レスペラトール(赤ワイン)、オメガ3、アマニ油、単鎖不飽和脂肪酸は抗炎症作用がある。

129 現代人は食物繊維を8gしか摂っていません。石器時代は100gでした。大豆はエストロゲン作用があるため注意が必要。

130 農地の83%が家畜とその飼料のために使われている。しかも肉類は人間の接種するタンパク質のたった18%です。気候変動に対応するには、富裕国の肉食を減らさなくてはいけない。オメガ3を含む食にッッはオリーブオイル、イワシ、天然サーモン、ココナツオイルです。

134 高血糖、高血圧、高脂血症は食事、ライフスタイル、ストレス、環境毒素、個人的遺伝子の脆弱性の相互作用から起こります。

対策は蜂窩k津的な食事、ストレス管理、ライフスタイルです。インスリン注射だけでは糖尿病患者の予後は返って悪くなります。

135 高血糖がすべての悪(脳卒中、心臓発作)ではないし、低血糖のほうが死亡率が上昇する。新種林で血糖を下げることは根本的な治療ではないのがその理由です。

136 血糖を下げるより、栄養不足(Mg,Zn、ビオチン、オメガ3α-リポ酸など)を改善するほうが有用です。食物はカロリー補給だけではなく遺伝子を切り替える作用があります。

137 食物繊維の多いこんにゃくが心臓発作を減らす。

138 ポップコーンも食物繊維が豊富である。食物繊維は心血管関連死を減らすが、がんは減らさなかった。

139 アトキンソンダイエット(高脂肪、高タンパク、低炭水化物)は血圧とコレステロールで改善が見られた。

140 ケトンダイエットは自閉症にも効果があることが示されているが、まだ証明はされていない。地中海式ダイエットは良質な脂肪の摂取にある。

142 しかし65歳上に関しては動物性タンパク質が癌や死亡率に良い結果を示した。

144 腸内の微生物は私達の健康と病気に大きく関与している。

145 私達は人間と微生物のハイブリッドである。マイクロバイオームは腸内の100兆個の最近で構成されている。そして遺伝子は995%相似している。腸内細菌は更に多くの遺伝子を持っている。第2のヒトゲノムである。私達の腸内細菌が喘息、肥満、心臓病、癌、アルツハイマー、クローン病、慈恵飛翔、不安神経症、うつ病に相関している。マックを食べると数分以内にCRPが上昇する。

146 摂取する食物よりも、腸内細菌の組成が重要である。つまりそれらの栄養になる水溶性食物繊維が十分に接種されていることが健康につながる。ジャンクフードにはそれらはほとんど含まれていない。

腸内で作られたエンドトキシンは血液へ炎症性物質を送り出す。それは肥満や1型糖尿病、メタボを引き起こす。

147 水溶性食物繊維は癌からも体を守ってくれる。

148 運動選手はそれに運動にあわせて腸内細菌も吸収代謝が変化する。炭水化物と抗生物質(内的な)肥満に対抗する最近の増加、免疫、脳機能を増加させました。運動が健康に良いのは明らかである。

149 年齢と健康にあった運動を目指し、ゆっくりと行いうこと。プロでない人の健康を保つ運動量はこれからの課題です。ただ筋肉量を上げるために高タンパク低繊維色は推奨されません。

150 腸内細菌叢の食事、運動、ストレス、その他の外部要因で決まるが非常に複雑である。たとえ一日の食事の変化も健康に影響を与える。

151 肉食の人は細菌叢が複雑である。肉を分解するために、単純さんが分泌されるが、徐々に耐性を持つため、胆汁酸の分泌が増える。マウスの研究では炎症性腸疾患を引き起こす細菌が増える。

152 食事が植物か肉食かで細菌の遺伝子活性が変化し、それは肉食か草食の動物に見られるものと一致していました。初期の人類にはその柔軟性が生き抜くために重要でした。そして現在では食事によって健康が影響されます。それはエピゲノムよりも更に早期に起こります。

153 いずれ腸内細菌叢と健康の関係は解明されるでしょう。しかし現在は不明です。

154 一つの方法を見つけるのではなく、各人にあった方法を見つけることですが、遺伝子検査がまだ不十分なため、今のところ、地中海料理の中心的な果物、魚、油脂、ナッツ、適度な赤ワインが高齢でも認知力と健康を保つでしょう。

155 心の問題 ストレスを無くすことで遺伝的脆弱性を解消すること

196070年代には唯物論が中心なため、精神的なことは軽んじられました。

156 ストレスは心と身体の両方に影響を与え、心臓病、癌、関節炎、呼吸器などの慢性疾患に関係します。しかし、それを実証することはできませんでした。瞑想によって痛み、出血、感染をコントロールできる人に出会いました。彼はナチスの拷問を瞑想で耐えることを学びました。

157 実験では瞑想によって痛みを感じなくなることが、脳波で示され、凝固時間が縮まることが証明されました。わたしたちは誰でも潜在的にその能力を持っています。

157 ストレスを事故調整することは現代医学では基礎となります。今では精神状態や感情状態の生物学的影響をモニターできます。つまりリラックスした健康的でポジティブな意識は遺伝子発現(エピゲネシス)を変更できるということです。瞑想やその他の意識に頼る必要はありません。

幼少期におけるエピゲネティックの影響

幼少期のトラウマ(過渡の緊張や虐待)は成人期までその人にエピゲノムに影響を与え変化させます。

158 それは生涯にわたり、身体的脆弱性と情緒障害を残します。

1448人のオランダの兵士における調査では45000以上の海馬(脳の感情や記憶の中枢であり、自律神経の心臓である)の遺伝子に変化を与え、PTSDを起こしやすいことが証明されました。

2204人の大学生の調査では銃撃を経験した人はPTSD関連の症状に苦しみます。

3)別の研究では虐待を経験したグループでは遺伝子でメチル基の発現が極端であった(多いか少ないか)。

160 幼少期のトラウマとストレスがテロメアに影響するか?

デューク大学の研究では身体的虐待やいじめを受けた子供はテロメアが短い傾向がある。ストレスによりテロメアが損傷を受ける。

161 テロメアはミトコンドリアと関係しているため、テロメアの短縮は老化、喫煙、肥満、精神疾患、心臓病、慢性疲労などの他の健康問題と関係している。ただ、テロメアの短縮と健康は関連しないとする研究も少なくない。

162 暴力を経験した子供は遺伝子やDNAの複製が低く、より速い速度で老化する。これらをもとへ戻すにはストレスの軽減や運動食事の充実でテロメアの減少を抑えることができます。

163 前立腺がん遺伝子を発現を変えるには

幼少時のトラウマが癌の遺伝子に直接的で永続的な影響を与えますが、それは一方通行ではなく、心を通してポジティブな生活によって遺伝子を健康的な発現に変える(健康と長寿)ことができます。前立腺がんではPSAが高知になると過剰な医療が行われ、重大な副作用もあります。

がん治療の一つの方法として集中的なライフスタイルと栄養プログラムがある。

164 手術や放射線治療を拒否した低リスクの前立腺がんに対して、低脂肪の植物ベースの食事やストレス管理を行ったところ、PSAの値が低下しました。前立制癌の治療は清掃の切除や抗男性ホルモン療法です。しかし、一部の前立制癌はこれらの治療に耐性を持ち再び増大します。一部の腸内細菌はアンドロゲンを産生します。

165 抗アンドロゲン薬がこれらの腸内細菌の産生を増やす可能性が示唆されている。抗アンドロゲン療法に感受性が高い人からの便の移植は抵抗性の人の体質を変えます。これらのホルモンを産生する細菌は腫瘍内にも尿路にも存在する。

166 速歩きは認知と関連する

オーストラリアのモナシュ大学のTaya Collyer研究では認知の低下と歩行速度の低下はより認知症になりやすいと報告しています。マッサージや直接的な心身の介入も遺伝子発現を良好に変化させます。マッサージは炎症を二関連する遺伝子がオフになる。その効果についてはタルノポルスキー博士が生化学的検査を行うまで証明されなかった。

167 マッサージは血流の増加とエンドルフィンの分泌によって痛みを和らげます。運動前後で筋肉の組織を採取するというボランティアの実験にを行い、運動後は細胞修復活性と急性炎症が見られます。

168 運動がこれらの2つのプロセスに関連する遺伝子を活性化します。それよりも驚いたことはマッサージを受けると、ミトコンドリアを増やす遺伝子が30%も増えたことです。更に炎症の遺伝子が3分の1になりました。マッサージは運動による炎症を軽減し幹部の回復を早めます。今まで信じられてきたマッサージが乳酸を除去するという機能はありませんでした。

 

統合失調症における遺伝子発現の管理

統合失調症は近年の研究で非常に遺伝性の高い病気と言われています。

169 統合失調症に関与する遺伝子はドーパミンと相互作用する脳細胞にあり、同時に免疫応答に関与する部分でもあります。

 

170 不安障害とエピジェネティック

不安障害は遺伝的な感受性から生じると言われています。閉所恐怖症はGPM6A遺伝子に関連します。この遺伝子はオピオイド受容体やセロトニントランスポーターの調節に関係しパニック障害や統合失調症やうつ病と関連します。これは先祖から受け継がれた記憶の結果です。

171 今までの心理学の研究では幼少時のトラウマと個人的経験から生じると信じられていました。マウスの実験では桜の匂いをかがせて電気ショックを与えたところ、その子孫も桜の匂いを嗅いだことがないにも関わらず、その匂いを恐れました。恐怖遺伝子に加えてエピジェネティックな修飾を持っていることが推察されます。

172 精神疾患、肥満、糖尿病、代謝障害の増加は多世代に渡るため世代を超えた遺伝がありエピゲノムによって伝搬されます。

 

ストレスホルモンはエピゲネティックな変化をもたらす

ストレス下ではグルココルチコイドという抗炎症作用のあるホルモンが分泌されます。

173 しかし、脳内の遺伝子発現を変化させます。

174 グルココルチコイドは動物と違って戦うことも逃げることもできない人(特に女性に多いか?)、感情的に閉じ込められた人はホルモン障害や感情の変化をもたらします。

175 瞑想は遺伝子発現を良好にする

瞑想トレーニング(MBSR)はうつ病症状を軽減しました。

176 瞑想は抑うつ思考から離れそれが真実ではなく単なる精神的な出来事であると認識することです。

177 よく知られている闘争・逃走反応の反対です。つまり呼吸、瞑想、ヨガによる深い休息を得ることです。それは不安や慢性疼痛など様々な症状を良くします。

178 リラクゼーションが炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群を引き起こす。エネルギー代謝を司る遺伝子はリラクセーションによって、炎症、ストレス、外傷、癌などに影響が出る。

179 リラクゼーションはミトコンドリアの回復を促すのがその作用である。食事や運動後数時間で遺伝子のエピジェネティックな変化が現れました。規律ある座り方(瞑想座禅)によって、8時間後に遺伝子の変化が現れた。鎮痛剤でも遺伝的変化が現れた。

180 瞑想者はエネルギー代謝、ミトコンドリア修復、インスリン分泌、テロメア修復に関与する遺伝子が発現しました。

181 反応ストレスと酸化ストレスは、瞑想によってオフにされました。熟練者ではわずか20分でこのような変化が現れる。

182 私達が思っている以上に知覚や経験は無意識によるものが大きい。つまり私達の心は私達の身体を自分の信念に合うように調整する。幼少時の潜在意識が重要である。人は意識的な信念や行動には気づいているが、潜在意識のほうが100万倍強力である。潜在意識には気が付かないだろうが、人生の9599%が潜在意識が作用している。

183 細胞は消化器、生殖器、免疫、神経系などのミニチュア版であり、皮膚に組み込まれた受容体で環境を認識しストレスが多ければ細胞もストレスを受ける。わたしたちの行動パターンは6歳までにプログラミングされ、その後の人生はその影響を受ける。大人になってからの矯正は意識的に努力することが必要となる。

184 腸内細菌と長寿の関係を探りつつあります。

 

2つの効果的なストレス管理テクニック

瞑想とストレス管理テクニックは幼少時の経験に基づいている。

185 この問題は無意識の自己に潜んでいます。瞑想ではこの扱いにくい個人的な問題は解決できないかもしれません。そこで1つ目は呼吸です。もう一つは自立トレーニングと言われる、重さや暖かさの体験に焦点を当てたものです。

 

186 マインドフルネス実践方法

静かな部屋を選んでください。照明もしくは日光の当たる部屋です。外なら気が散らない公園やビーチ、砂丘がいいかもしれません。タイマーを用意してください。1分間でも構いません。そして倍々にしましょう。朝と夕に行いましょう。

187 瞑想用マットや椅子でも構いません。床ならあぐらをかいてください。背筋を伸ばして、上半身はリラックスしてください。腰は柔らかな間借りを感じるようにリラックスしてください。次に呼吸に注意を払います。ついいろんなことに気を取られますが、呼吸に注意を払いましょう。

188 湧き上がる思考や感情はただ観察するだけにしましょう。どうですか?簡単ですが続けることは難しいです。

 

自律神経テクニック

筋肉が弛緩する重い感覚と全身の血行が良くなった温かい感覚を心に留めます。

189 1.気が散らない静かな場所で、床に横になったり、椅子に座ってリラックスしてください。両手を膝の上に置くか、肘掛けに置きます。

2.ゆっくりと均等に数回呼吸をします。横隔膜をゆっくり深く行きをする練習をします。3.静かに私は完全にリラックスしていますと言い聞かせます。3.腕が重いと自分に言い聞かせます。

190 腕に注意を向け静かにゆっくりと私の腕は温かいと自分に言い聞かせます。私は完全に落ち着いていると言い聞かせます。次に足に注意を向け私の足はとても重いと6回言い聞かせます。そして静かに完全に落ち着いていると言い聞かせます。次に私の心臓は落ち着いていて規則的です。私の心は完全に落ち着いていると言い聞かせてください。次に私の呼吸は落ち着いて規則的だと6回繰り返してください。次に私の腹部は温かいと6回繰り返してください。そして私の額は心地よく涼しいと6回繰り返してください。

191 リラックス感や暖かさ、重さを楽しんでください。それらが終わったら静かに腕に力を入れて深く呼吸をして目を開けてください。音声ファイルを使うとより効果的に瞑想できます。

私たちの意識的無意識的な信念、意図、態度、感情に加えて、人生や先祖の人生におけるトラウマ的な経験が私たちの細胞のDNAに影響を与えます。習慣的な行動によって私たちの精神的感情的な生活に経路ができると、それは永続し精神や健康に影響を与え続けます。

192 現代の個別医療 未来に待ち受けるもの

全時代は遺伝がすべてを決定すると考えられてきました。人間の遺伝子がすべて解読され、欠損した遺伝子を治す以外に治療はないと考えられてきましたが、その後のエピゲネティックの発見までは。アンジェリーナ・ジョリーのBRCA遺伝子を受け継いだことは不幸でした。87%の人が乳がんを発症すると告げられ、彼女と医師は乳腺を切除することを選択しました。昔は乳がんの発生率は24%でした。3倍も上がったのは、この遺伝子を発現を助ける、食事、運動、汚染物質、生活習慣です。2013年の彼女の手術より、発生を抑える方法があります。私たちのライフスタイルが健康を作り出していることは明らかです。

193 同じ遺伝子を受け継いでも非常に異なる結果をもたらすことは一卵性双生児の研究で明らかになりました。当然大きな音を聞いた場合、PTSDに苦しむ帰還兵は恐怖を感じ、学校の先生は74日の祝日を思い出すかもしれません。

つまり、医学上の平均的な人間は存在しないことになります。ジェフリーブラント博士は病気は妄想であり2型糖尿病、関節リュウマチ、アルツハイマーは診断がついてもすべて同じ病気ではないと示しました。

196 病気とは各個人の生理学的な機能不全です。それは様々な原因があり、それぞれに違う治療が必要です。私たちの日常生活が健康と長寿や不健康と短命を生み出しています。

197 未来の医療におけるテクノロジーの役割

レイカールワイツ氏によるとヘルスケアにはビッグデータをコンピューターで分析することが不可欠であると述べています。医療ツールはそれがもたらす指数関数的な変化「リターン加速の法則」の影響を受けます。

198 その分析能力は20年後には100万倍に加速する。精密なバイオゲノムアッセイは健康を導くために非常にパーソナライズされたプロファイルを提供します。(個別の健康増進方法)更に何兆個の腸内細菌を分析するマイクロバイオーム評価や何百もの血液マーカーと組み合わせられます。

超高速コンピューターで遺伝子、血液、腸アッセイなど膨大なマーカーの組み合わせのデータセットをくまなく調べ、未来の医師はこれらのパターンを解釈することになるでしょう。イルミナ社は血中のがん細胞のDNAを調べることで、原発巣を探すことができます。

199 次世代のデジタル時計や携帯端末にはリアルタイムのセンサーが搭載させ、検査用の錠剤にはナノテクノロジーのセンサーが含まれます。エピゲノミクスはヒトゲノム上の科学タグが現在や未来の遺伝子発現をどのように変化させるか研究するものです。

200 旧来の医療モデルからの変化

しかし、これらの高度なバイオテクノロジーは機能不全に陥っています。疾患治療中心に利用されることが多いからです。しかし、病気に関する遺伝子はほとんどありません。

201 これらの新しい市場規模は2000億ドルです。そのうち数十億ドルは心臓やがん治療に費やされます。当面はバイオテクノロジーへの投資はなされず、病気の予測と薬の開発に重点が置かれます。予防医学にこれらの予算を使い、最適な健康を作り出すほうが世界にとって良いことです。今日の医療費のたった3%が予防医学に使われています。しばらくは私たちの遅れた医療政策は続くでしょう。個別化医療と予防医療の普及には大きな変革が必要です。

202 変革には数年を要するでしょう。アメリカは世界一一人あたりの医療費が高額であるがその結果はよくありません。個別化した医療はとても高額です。しかし病気の予防と最適な健康の促進に繋がります。

203 その中心となるのはデジタル化された健康データです。今後、個人の遺伝子プロファイル、バイオミックスアッセイ、エピジェネティックマップ、家族歴、今までに置けた治療プロトコル、嗜好、などヘルスケアデータが重要になります。

医学は反応性や疾患中心の考えから変わるでしょう。その結果高額な医療費も解消されるでしょう。そして一時的な治療より予防のほうが効果的であることが証明されます。

 

遺伝子編集革命

統合医療の長所も忘れないでください。

204 慢性疾患が予防的ケアで止められない場合や遺伝的欠陥が原因の場合、対症療法に頼らざるを得ません。生活習慣病を抑えることができない場合、遺伝子編集が必要になります。遺伝子編集を理解するために、おさらいをしましょう。

50年前に細菌がDNAを編集できる酵素を持っていることが発見されました。

ウイルスに感染した細菌はそのウイルスのDNA配列を記憶し、再び侵入してきたときにその部分でDNAを切断する酵素(CRISPER)を使います。

205 ミシガン大学は最近RNACRISPERで編集できることを発見しました。

CCR5遺伝子はHIVに対する抵抗力を持つことができるが、米国人の約1%はこの遺伝子を欠いている。欠損した遺伝子を挿入する方法を研究している。

・一部の不幸な人はLDLコレステロールを身体に蓄積します。間もなく間細胞の遺伝子を編集して正常化します。

・また鎌状赤血球症や血友病を治すために血液幹細胞の編集に取り組んでいます。また血液の癌に対してCRISPER治療法をテストしています。

・筋ジストロフィーの特定遺伝子はマウスの実験でオフにできました。

205

・マラリア撲滅のために、遺伝子操作で雌の蚊を不妊化することを検討しています。

しかし研究から臨床へ応用するときには最新の注意が必要です。

上記の研究では当該の疾患にしか影響を与えませんが、CRISPERがデザイナーベイビーや遺伝子組換え人間に応用された場合、生殖可能になればDNAは遺伝的な変化を起こしているため、恐ろしいことになります。2015年、人の形態DNAを編集についてモラトリアムが発表されました。アメリカでは胚の遺伝子組換えは禁止されています。しかし、多くの国では未解決で、中国では胚の改変が行われました。

206 広東州の中山大学で、ヒト胚の85個の遺伝子改変が行われましたが、失敗しました。ハンチントン舞踏病などその他300種の単一遺伝子異常による病気に対して、改変を行うことは許されます。しかし、最も必要なのは自分たちがその遺伝子を持っていないか、カップルが予防的遺伝子検査をすることです。しかし、心臓病など多くの疾患では数百もの多因子遺伝のため、編集も予防的遺伝子検査も役に立ちません。

208 ランダー氏によればこれらの遺伝子による影響は、ほとんど無く、多くはエピジェネティックな影響であると述べています。そのことから、私たちはどのように生活するかが、受け継がれた遺伝子を扱う正しいやり方です。エピジェネティック革命によって、健康の最適化の新しい方法をThorne(ソーン)社は示します。

209 遺伝子の機能マーカーを遺伝子プロファイルに示し、これは生活環境で変更可能です。pathway Genomics社は運動がどのように遺伝子に影響を与えるか75のマーカーで検査可能です。

2WellnesFXが開発した検査は脂質と脂質分画、ホモシステイン、ステロイドホルモンや鉄、B12、肝機能、腎機能を測定します。

210 3)腸内バイオーム検査は代謝と消化に関する何百ものバイオマーカーに焦点を当て、便を分析します。

ソーン社は3つの検査キットを送付し、一般の人にネット上でデータを提供します。人工知能による分析によってそのヒトに最適な食事、サプリメント、運動を含病気の予防を提供します。Habit社は自分の可能性を最大限引き出すためのPlum Organicsを提供します。

211 社長のニールは自分の体重が競技者だった頃に比べて30kg増えて寿命が損なわれていることに気が付きました。DNAと血液検査の結果、自分の体が求めている食品や栄養素に気が付き体重を12kg減らし体調を回復しました。Viome社は自宅で糞便のバイオームを検査するキットを使い、遺伝子発現と組み合わせて、どのような栄養素がどのように代謝されるか判断しました。それによって理想的な栄養素比を決定し、食事を決めます。

さらに腸内細菌が遺伝的発現にどのように影響するかを研究し、どのような栄養素を摂取すべきか判断します。それによって理想的な主要栄養素比を決め、有害な代謝物を最小にし、有用な代謝物を最大にできます。

212 その他のバイオマーカー社は病態の分析、予防と健康、もしくは子の2つを組み合わせたものを販売しています。

23andMe社はFDAによって閉鎖されたあとAncestry.comと提携して唾液による診断キット(健康と祖先)を販売しています。鎌状赤血球症、嚢胞性線維症などの遺伝子変異、黄斑変性症、セリアック病、アルツハイマー病などの健康リスクレポートが含まれます。またアルコール・カフェイン、乳糖不耐などの健康レポートも含まれます。

213 Ultima Genomics社は100ドルで個人のゲノム配列を解読し、寿命や癌や治療効果の差について助言を与えます。

 

215 もう一度外的宇宙から内的宇宙へ

NASAの研究で宇宙に最も長く滞在した宇宙飛行士スコット・ケリーの身長は2インチ伸び、テロメアも伸びていました。このことから無重力、低酸素、高炭酸ガス血症は骨形成、DNA修復、免疫に影響を与えるエピゲネティックな作用があることを発表しました。

216 地球への帰還後身長はもとへ戻ったが遺伝子の発現も93%はもとへ戻った。しかし、7%はそのまま永久になる可能性があります。

217 エピゲネティックな変化はDNAに書き込まれるため、食事やストレス管理、環境、他のライフスタイルでDNAに対して特定の選択をできます。臨床では遺伝子指標と個人のDNAプロファイルを組み合わせて診断治療予後を正確にできます。この新しい個別化治療は費用効果が高く持続可能です。

 

 

218 エピジェネティックの新しい領域

笑い話で高齢者が左膝がいたいと医師に言うと「それは歳のせいだよ」と言われたが「右膝は痛くない」と言い返された。

220 ここでは腸と脳のつながりや栄養、ストレス管理、環境との関係、2型糖尿病、アルツハイマー病の治療。健康と長寿の状態を改善。これらが今私たちの手の届くライフスタイルの変更で実現可能なのです。いくつかの遺伝子による素因は予定ではありません。健康の90%は食事、運動、ストレス管理、環境毒素の暴露で決定されます。私たちは様々な遺伝子を持っていますが、それらすべてが発言するわけではありません。私たちの思考、感情、社会的つながりがおおくの、健康や病気、体重に関係する遺伝子をONOFFできます。医学における最大の業績は遺伝子でしたが、実際には遺伝子に影響を与えるのはライフスタイルです。

221 人生はストレスに満ちており、ほとんどの人は慢性的なストレス状態にある。しかし、何百年もの間ストレスは人間の生活には欠かせないものでした。私たちの進化の歴史は自然災害、戦争、飢餓、パンデミックなどでストレス反応システムが発達しました。ストレス反応には2つあり、免疫反応と脳のストレス応答システムです。両方同時に起こることもあります。これらのシステムによって、脅威と認識されるあらゆる状況に反応します。未開発国では毒蛇、野生の虎、重症の怪我、感染症など生命を脅かすものがストレスですが、先進国では、不健康な食事やネガティブニュース、将来への不安、競争の激化、貧困、性別、人種、社会経済的地位の低さ、健康格差などです。

222 残念ながら2つのストレスシステムは同時に発生することが多いです。進化は現代の経験したことのないストレスを予期していませんでした。ステロイドホルモンとノルアドレナリンの慢性的な分泌は現代の慢性非感染性疾患に大きく関与しています。18歳までにその反応はプログラムされます。その後の慢性疾患を発症するリスクを決定します。例えば、大きな音を聞いたとき一人は花火を連想し、もうひとりは戦争の爆発を思い出しPTSDを発症するかもしれません。COVIDによるコリン・パウエル将軍の死は彼の根底にある免疫不全が原因かもしれません。

223 最高の医療も免疫反応不全を補うことはできませんでした。

洋食の欠点の一つは腸内細菌の食べるものが残らないことです。その結果、悪玉菌が異常繁殖し炎症性疾患、大腸がん、メタボ、2型糖尿病、心血管疾患、アルツハイマー病の感受性を高めます。

宇宙食のような食事をするアメリカ人が増えています。彼らは地球に帰還したとき、善玉菌の殆どが失われています。

224 食物繊維を5倍摂取するグループに比べて、私たちは食物繊維が少ないため50倍も大腸がんの発生が増えました。

 

脳と腸の相互作用

腸内細菌叢が神経学的、認知的、心理的な障害を引きおこします。微生物ー脳は双方向のコミュニケーションです。

 

225 腸管神経系は自律神経であり、中枢神経とは独立して機能します。迷走神経は消化管運動を支配し、また感覚を受け取ることができます。ヒトの微生物が最も多い期間は結腸です。腸内細菌叢の複雑さは免疫の重要な役割があり、脳と腸の相互作用がますます注目されています。腸内細菌叢は、ビタミン、神経伝達物質、短鎖脂肪酸などの神経活性微生物代謝物を介して神経機能を調節できることが明らかになりました。短鎖脂肪酸(SCFA)は腸内細菌叢と脳の間のコミュニケーションを促進する重要な物質です。それらは穀物、くだのも、野菜、デンプンなどの消化可能な炭水化物が発酵した産物です。これらは脳神経の保護効果があります。

226 短鎖脂肪酸の一つである酪酸(バターから見つかったための名前)は脳ニューロンの再生に極めて重要な役割を果たし、学習と記憶に影響を与えます。シンバイオティクス(プレ、プロバイオティクス)は腸内の微生物を正常化し、免疫活性を変化させ、ストレスに関連する症状を軽減できます。ネズミを使った研究ではプロバイオティクスとシンバイオティクスがうつ病を減少させることができた。

227 腸内細菌叢にストレスがかかっている場合、脳は行動反応を起こす。シンバイオティクスグループは反復するストレスによって引き起こされる細菌叢の変化を正常化します。その結果ストレスに伴う行動症状が軽減します。プロバイオティクス(健康上の利点をもたらす生きた微生物)とプレバイオティクス(望ましい微生物が成長するよう刺激する物質)の腸内での働きはよくわかっていません。シンバイオティクスとブドウ由来のポリフェノール、レスペラトロールのプレバイオティクスの効果を評価し、プレバイオティクスには神経保護作用があり、プロバイオティクスと一緒に摂取するとポリフェノールの効果が一気に上昇します。老齢マウスに乳酸菌とビフィズス菌を補給すると、バリア機能が改善され認知機能が向上します。

228 私たちの長い冒険旅行

私たちのDNAの塩基対は約30億ありますがそのうちの98%がジャンクDNAと言われています。この驚くべき非効率的な遺伝子物質の配分は人間に限らず、多くのバクテリアも20%はジャンクDNAです。それらが本当に意味がないのかわかっていません。これらの非コード配列はタンパク質情報を持ちませんが、進化によって異なる目的に使われることがあります。細胞はこれらを使って様々な方法でタンパク質の生成を調節しています。これらはメッセンジャーRNAと結合し、タンパク質の洞性を阻害または促進します。遺伝子は繰り返される配列で構成されます。繰り返しの喪失はテロメアの短縮が老化と関連するように、

230 繰り返しは染色体の完全性を維持するために役立っています。非コード配列で動的な遺伝子は多くのゲノムの変化を引き起こします。つまり進化のエンジンであり、原料です。それ以外で本当のジャンクDNA80%です。しかし、機能があるかどうか調べるのは困難です。

231 脳を活性化する栄養素

アメリカでは65歳以上の600万人がアルツハイマー病を患っています。2050年には1200万人に達すると言われています。鍵を忘れたり、人の名前を忘れるのははじまりです。私達の脳と記憶機能は完全に制御できないわけではありません。シナプスの生成は一生涯続きます。記憶力を高める方法の一つは機能性食品を取ることです。オメガ3脂肪酸は認知機能を高める多価不飽和脂肪酸(善玉)の一つです。EPA,DHAも認知機能をサポートし細胞膜の流動性を維持し、シナプスの可塑性を高めます。最近の報告では、炎症性の食物は脳の容量を小さくします。赤身の肉、ソーダ、揚げ物、漂白された炭水化物です。

232 別の研究ではアルコールの乱用も脳を萎縮させます。細胞膜が流動的なほど効率的に機能し、健康的な気分と記憶に貢献します。また細胞の生存や成長、再生にも不可欠です。天然のタラ、鮭、サバ、イワシ、マスなど、脂肪分の多い魚を食べることはより多くのオメガ3脂肪酸を摂取できます。菜食主義のヒトには海藻、くるみ、アーモンド、チアシード、ヘンプシード、亜麻仁をおすすめします。抗酸化作用のあるポリフェノールの研究では、いちごやブルーベリーが慢性疾患と脳の健康に最適です

233 それは認知機能の低下を2年半遅らせることができる。脳を保護する食品は

心臓も保護します。いちごとブルーベリーを週に3回以上食べたヒトは、心臓発作を大幅に減らします。現在、アルツハイマーに対する治療法はありませんが、恐れるのではなく、できるだけコントロールしてください。ブルーベリーやくるみなど美味しくて栄養価の高い食品を食事に加えるだけで、脳の健康を保つことができます。ミトコンドリアは多くの細胞でのバッテリーと考えることができます。ミトコンドリアがエネルギーとしてATPを産生するときROS(フリーラジカル、活性酸素)も同時に作られます。一部の活性酸素は正常ですが、加齢に伴い、ミトコンドリアではATPが減少し、ROSが増えます。

234 喫煙、ストレス、睡眠不足、カビ、スモッグ、高血糖、インスリン抵抗性を生む漂白された小麦と砂糖などで全身に雪だるま的に炎症が増え、自然な老化プロセス以外に、ミトコンドリアの機能を悪い方向に誘導します。反対に水戸kんドリアをサポートする方法が次々と発見されています。食事療法は大きな一歩です。ビタミンB群、CE、鉄、Mg、セレンなどは抗酸化物質です。CoQ10、レスベラトロールなど食品から取るのが難しい栄養素も良いです。断続的な断食、カロリー制限、運動も強いミトコンドリアを作ります。

235 断食とカロリー制限

断食とカロリー制限食事療法は体脂肪の減少と心血管代謝を改善する手段として評価されています。しかし、レプチンとアディポネクチンの変化を理解するにはさらなる研究が必要です。レプチンは脂肪細胞で生成されるホルモンで空腹を抑制します。肥満ではレプチンに対する感受性が低下します。食後の満腹感を制御できなくなります。アディポネクチンはグルコースと脂肪酸を分解の調整を行うホルモンです。値が高いと糖尿病になりにくいです。

236 しかし、肥満の人ではアディポネクチンの値は食事制限をしても高いままです。

レプチンはカロリー制限で低下が見られたが、アディポネクチンは変化がなかった。しかし、高アディポネクチンは2型糖尿病を減少させる可能性があります。

237 断続的な断食は長期記憶を改善する

マウスの研究では断続的な断食は長期記憶を改善することが証明されました。断食は大人の海馬ニューロンを生成する効果的な方法です。海馬は短期記憶を長期記憶に変換する場所です。アルツハイマー病などの認知症では最初にこの部分が障害を受けます。一日おきの断食はマウスのKlothon遺伝子の発現を促し海馬の維持に効果的な方法であることがわかりました。Klothon遺伝子は長寿遺伝子と呼ばれ、海馬の形成に重要な役割を果たします。

238 マウスを毎日食事群と一日おきに食事群と10%の食事制限群の3つに分けて検討したところ、長期記憶の保存は一日おきに断食した群が最も優れていた。

239

アルツハイマー病による認知機能低下

アメリカの人の殆どはアルツハイマー病の影響を受けています。自分自身がその病気であるかその病気の人の知り合いです。プレデセン博士は予防も治療法はないという一般論に対して、栄養素不足の解消で認知症を治療と考えています。

Thuret博士はカロリー制限が記憶機能を改善することを実証しました。断続的断食で学習プロセスを強化し、加齢に伴う認知機能を改善します。ディアス博士は10%のカロリー制限で大きな改善を示しました。

240 初期の認知症や認知機能を上げる効果が期待できる。遺伝子検査でカスタマイズされた治療法が作成されます。その結果、短期記憶んお僅かな低下しましたが、認知機能は低下しませんでした。単語の記憶から、絵を再現し、集中力が高まりました。その後、剖検を行いましたが、アルツハイマー病の病変が見つかりましたが、生前にアルツハイマーの兆候を示した人はいませんでした。アルツハイマー発症を高めるの遺伝子を持っていてもその症状はありませんでした。100歳を超えても認知機能の低下に抵抗できたことを示しました。

241 その治療計画には栄養素が含まれていて、多くの場合植物性のケトジェニックダイエット(炭水化物からのカロリーを少なくして脂肪やタンパク質から摂取する)が必要です。更に運動や睡眠、ストレス軽減、精神的活動など脳と身体の動き、ターゲットを絞ったサプリメントやハーブが推奨されます。Bredesen氏は代謝と認知機能は密接に関連しています。被験者の中には70歳の男性がいて、加速度的記憶力の低下とAPOE4陽性(ADを予想できる遺伝子)でした。仕事や数字の扱いにくろうしていましたが、治験開始6ヶ月後、同僚、スケジュールや顔を覚える能力が大幅に向上しました。

私たちにはADや薬物治療に対する偏見がありますが、現在、ADの生活の質や状態が改善しているのを目の当たりにしています。ADは複雑な慢性の病気であり、単剤療法では良くなりません。複雑な病気と考えて、プログラムで治療するべきです。

このような革新的な治療には批判もあります。費用がかからない、有酸素運動や地中海式ダイエット、社会参加、脳血管の管理は標準的な治療法です。

 

243 人におけるCRISPR遺伝子編集

人におけるCRISPR遺伝子編集で遺伝的視覚障害病であるレーバー先天的黒内障の患者に網膜内注射で治療をしましたが、効果はありませんでした。遺伝子治療は遺伝子を書き換えるよりも、多くの遺伝子を治療するために行われるが、有望な臨床生成器が得られるかどうかは不明である。

244 Pillai氏は今のところ遺伝子編集による効果よりも他の遺伝子に不注意な変異を起こさないか心配であると述べている。また生体外へ組織や臓器を取り出し戻す処置は有害な事象がおると付け加えた。また薬剤投与では体を循環するが、肝臓など他の臓器を標的にする場合がある。このようなオフターゲット治療の危険性はゼロではありません。

245 最初のCRISPRによる遺伝子編集において

先天性の網膜の病気に対して直接網膜へ注射する方法は、この技術は優れた効率とターゲットで簡単かつ安価にできます。

CRISPR技術は癌やHIVを治療するために免疫細胞の改変、結核などの診断、COVID19の診断に有用です。しかし、人間の健康に使われるには技術的倫理的懸念があります。

246 生体外アプローチで免疫細胞をとりだし、3つの遺伝子を欠落させることで、がん細胞に特有な合成T細胞受容体の発現を増強し、抗がん作用を改善しました。その後、患者に戻して、がん細胞と戦いました。最大9ヶ月間有効でした。しかし、研究者たちはオフターゲット効果(作用、副作用を含めて)には関心がありませんでした。その後癌は進行し1人が死亡しました。

247 研究者たちは最初に組織を切除すること無く、遺伝子編集治療をより直接的に届けることができます。このin vivo の方法はより幅広い疾患に対応できます。目、脳、筋肉、腎臓はこの治療方法に適しています。臨床上の勢いに比べてCRISPRのオフターゲット編集には玄関があると警告する研究者もいます。しかし、毎日体の中で起こる遺伝子変異はこのオフターゲットと同じであると考え、臨床では続けられています。MITとハーバード大学ではオフターゲット編集は臨床的に有益ではないと言っています。反対に癌を引き起こす可能性のあるオフターゲット編集でも癌を検知できると言っています。現在オフターゲット編集は致命的な病気を克服しようとしているが、将来に引き継がれる変化をおこすことについて論争があります。

248 NIHは臨床目的の生殖細胞の遺伝子編集は国際的に倫理上禁止されています。中国では双子の胚の編集をHIV感染防止のために行ったと発表した。彼の研究は研究の秘密性、この医学的処置の必要性について疑問を投げかけました。科学会は彼を追放しました。費用についても問題があります。がん治療におけるCAR-T細胞療法は40万ドル以上です。更に遺伝子のデータベースは白人集団であり人種的不平等にも注意が必要です。

249 CRISPRによる治療が臨床応用されるまでにはまだ数年かかります。

 

手足を再生させる

世界中の研究者がNIPSにあつまり、多くのAIの利用法について討論しています。タフツ大学のレビン博士は再生について研究しています。彼の研究はプラナリアの再生力の観察からはじまりました。どういうわけかこの生物は切られた部位が何であるか理解し、その部分を再生させます。しかし、レビン博士は尻尾を切り落としたのに、そこへ頭を再生させたのです。また彼は遺伝子操作を行っていません。電気的パターンを変えたのです。それによって生物の再生を再プログラムできることを証明しました。

 

250 光によるDNA機能のONOFFFの切り替え

生化学者たちは光によって、DNAの生物学的機能を制御する方法を開発し、細胞内で起こっている変化を調べる方法があります。

251 ミュンスター大学の生化学者たちはこの方法についてAndewandte Chemieに報告しました。細胞の機能は酵素という特殊な分子に依存しています。酵素は細胞内で化学反応を行うタンパク質です。それらは代謝産物を合成し、DNAをコピーし細胞活動のエネルギーを生み出し、エピジェネティックでDNAをを変化させるのに役立ちます。これらのカスケード反応は異なる酵素が使われています。

252 マイクロバイオームと老化

NYタイムズで腸内細菌叢の変化があなたの老化を予想するという記事が掲載されました。マイクロバイオームは生後1000日間のの間に劇的に変化します。青年期から成人期には比較的安定して、最終的に高齢者では、特定の健康増進微生物の減少と微生物の多様性の減少が見られます。これらはフレイルと認知機能の低下と関連している。健康な腸内細菌叢の変化は老化であると考えられます。年齢とともに腸内細菌叢は個人に特有になり、種類が減少することがわかりました。

253 特定の細菌は免疫調節機能、炎症、老化、寿命に関連し、トリプトファン、フェニルアラニン(チロシンの前駆体)と正の相関がありました。80歳以上の群では健康な人はFirmicutes,Bacteroidesが優勢でした。

254 バクテロイデスはタンパク質と動物性タンパク質を多く摂る人に多く、多種類の炭水化物を摂る人はプレボテラ(Provotella)が優勢でした。人はへいきん30%の腸内細菌叢を共有していますが、この類似性は年齢とともに低下します。なぜこのような変化が老化には必要なのでしょうか?

腸内細菌の生態系は、食事、投薬、身体活動の変化、睡眠不足、不快な気分、社会的相互作用の低下、慢性的ストレスなど脳の信号に強く関係しています。多くの人にとってこれらの要因は年齢の上昇に伴って劇的なかたちで現れます。プレボテラ/バクテロイデス比の増加は(認知機能とフレイルは植物性食事で改善するとの報告より)全身性免疫活性化のマーカーの減少を示します。

255 この腸ベースの免疫活性化は全身に広がる可能性があり、あらゆる臓器に影響を与えます。非感染性の慢性疾患はほとんどこれが原因です。フレイルや早期老化の予防にはプレボテラ/バクテロイデスの比率が高いほうがよく、全身性免疫活性化を防ぐ植物ベースの食事が有利です。

256 100歳まで生きる人は、腸内細菌叢が独特で、日本の研究では、100歳まで生きる人は感染症を防ぐ特別な腸内細菌を持っています。またそれらが産生する2次的な単純さんが健康的な老化に寄与するかもしれません。

257 100歳に達する人は、脂肪を分解する胆汁酸を修飾する腸内細菌が多いです。

その2次性胆汁酸はイソアロリトコール酸と言われています。

258 Odoribacteraceaeと呼ばれる細菌です。それは腸内の悪玉菌を抑制します。クロストリジウム・ディフィシルの増殖を抑えます。つまりイソアロリトコール酸は健康な腸に寄与します。長寿者がなぜこの細菌を得ることができたのか不明です。遺伝と食生活が関与していると予想されます。

 

259 ネアンデルタール人の遺伝学

ネアンデルタール人はヨーロッパに、デニソワ人はアジアに広がりました。そして互いに出会い交配しました。アフリカ人にもヨーロッパ、アジアに比べて13だがネアンデルタール人の遺伝子を持つ。この混合した遺伝子は多くの集団で明らかです。ヨーロッパ、アジア人の約2%がネアンデルタールの遺伝子です。アジア人はデニソワ人の遺伝子を多く受け継いでいます。メラネシア人(ニューギニアなど)は6%受け継いでいます。

260 ネアンデルタールの遺伝子は現生人類の20%、アフリカ人は7%受け継いでいます。

考察

我々人類の健康と長寿と精神的な目的のギャップを埋めることがようやくできるようになりつつあります。しまし生物医学的技術の輝かしい進歩だけでは私たちの求めている答えは得られないでしょう。しかし、古代の経典は人間の魂の中心に向かう旅を描いています。この旅は科学者であろうと神秘主義者であろうと私たちに畏敬の念、謙虚さ、思いやりの感覚を植え付けます。

 

訳終了日 2024/05/12

 

 

 

 

 

 

 

 


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