開業して23年と4ヶ月

1. 自分自身はあまり衰えは感じないが、一般人は定年年齢である。最近は診察が楽しくなってきた。たぶん借金が無くなったせいだと思うが、先々を考えて起業するのは、その通りにならない場合、ストレスが高い。大きくする自信があっても、最初は小さく始めた方がいい。いまなら良い開業コンサルタントになれるだろう。

2. 大きな出来事では、5月に北陸新幹線が開業した。乗り換えなしで東京に行けるのは大きい。

3. 4月と6月に診療報酬が改定されるという変則的な出来事あり。今回は明らかに減収した。特にジェネリック加算をするなと社保から言ってきた。もう加算はしないが、ジェネリックも使わない。どうせ出荷調整で手に入らないし(真実はジェネリック会社のストライキである)

4. オンライン資格確認は自民党が無理矢理推し進めても普及率6%だが、10月に保険証代わりにしようとしている。コレが民主国家とは笑わせる。

 

11年も経ったら、もう若手じゃないのね。

いろんなものが壊れていきます。そのリスト。参考になれば...と。患者が少ないから痛みは遅いほうだと思う。

くろかわ医院の機器の寿命

対応

床暖房

10

放置

ユニット用バキューム

11

修理 

車用のエアコン真空引バキュームを使えば1/5の費用で済む事に後から気がつく。次があれば。

自動現像機

5

放置

ファイバー

6

修理

ユニットスプレーホース

9

自己修理

ユニット通気用ホース

8

自己修理

レセコン

9

Orcaに更新

SIG(エスアイインフォジェニック)というプロバイダー,担当の方が信頼できるし秀逸.

オージオメーター応答スイッチ

6

自己修理

オージオメーターヘッドホン

6

自己修理

自動ドア(内側)のスイッチ

9

自己修理

待合室の内装クロス

35

修理

待合室ドアストッパー

9

自己修理

職員トイレ換気扇

10

自己修理

器具用食洗機

6

修理

自動血球計算機

6

放置

玄関の手動ドア

9

自己修理

 

もう9年も過ぎていたんだ(^_^;)

1. 悩んだけれど、有床診療所をやめた。有床だと、お上からいろいろな調査が多くて、そのたびに調査料を払って、建物診断を受けなくてはいけない。調査料はそれ程高額ではないが、事務の手間が煩雑でいやだし、それに医師会からも協力費と言う年貢があって、有床が儲かっていた頃の名残に納得いかなくて、無床診療所にしたのだ。

2. 減価償却が減ってきたので、帳簿上は黒字みたいだが、法人税を払うと、借金の返済が苦しくなってしまう。これから開業する方は、当たり前ですが、出来るだけ借金をしない方が良いと思うよ。できれば自己資金3000万円で借金4000万円以内にすると、割と楽だ。君に付いているコンサルタントたちは、「もっと借金できるよ。」なんて言うだろう。しかし、返済期間が長いと、きまじめな君は借りがあるという軛が、後になって辛くのしかかる。ビル診で開業の方が、簡単な手続きだし、もし業績が悪いときには、心機一転も可能だ。それだけ現在の医療情勢が流動的でシビアだ。古き良き時代のように、医者はのんびりと同じ診療方針でやっていけない。業績が悪ければ開業地を変えたり、勤務医に戻ったりしても良いわけだ。

3. レセプトオンライン化で、慣れないし使いにくいけれど、安価なオルカに変更した。これも小泉改革の負の遺産である。この人が党よりも官僚を重視していたから、官僚は国会を侮っていたのだ。データの漏洩や病気による国民のランク付けなどの問題点を国会で討議しないで、勝手に省令としてレセプトオンライン化を進めたのである。官僚たちは、都合の悪いことを国会には通さずに、法律化するなんて、戦時中と似ているなあ。まったく、この人は議会民主主義を建前だけで、海外への見せかけと考えているのだろうか?この頃は、自衛隊の官舎でイラク派兵反対のビラをまいたら逮捕、とか官僚の暴走が目立つ時代でした。

4.開業につながりは無いけれど、とてもうれしいので書いてみた。2009830日、民主党が政権を取って、少し民主主義に近づいた気がする。日本が変わるかどうかは、これからだけど、封建的な福井も少しはリベラルになればいいなと期待している。県と市と一部の人たちが強硬に進めている北陸新幹線なんか本当に福井に必要なの?利用者は県外のビジネスマンで、福井のお年寄りには関係ないようだし。たぶん赤字でしょう。その負担は地元ってか。
昔から感じていたが、テレビで見たり、たまに県会議員や市会議員に会うけど、何で自民党の議員は、頑固で偉そうなのでしょうか?民主党は変わらないでほしいね。

開業してから8年

1. 銀行から借りたお金の利子が上がって利子が月に4万円も上乗せされた。少しでも節約しようと、その借金を自分の貯金から返済した。これで、本当の無一文になりました。まだまだ多いけど医療事業団の借金だけになりました。

2. 福井市から役人が計量法に基づきということで検査にやってきた。調剤用の電子天秤を調べていったが、少しの誤差で不合格。そこでどうすればいいか聞いたところ、調整するか、新しい電子秤を買えと言われた。ネットで調べたら校正にきてもらうと4―5万円かかるようだ。それなら新しい電子天秤が買えるじゃん。それにしても平成13年度に行われた計量法の改正は基準が厳しくなったようですが、計量関連会社と政治の関係が気になりますね。

3. 来年は病院の医師不足と言うことで診療報酬が上がりますが、診療所の再診料は値下げで開業医には厳しくなるようです。医師過剰といわれていた世論は政府が作り出したものだろうけど、真実がそろそろ日の目を見るようになりました。情報源がマスコミしかない大衆では世論が一方向に傾きやすいです。

開業してから7年と半年

1.経営は税理士さんによれば何とかやっていけるようだが,医療費の切り下げと開業ラッシュによる影響が出てきた.中堅の勤務医師が激務に耐えきれず開業するきっかけになっている.医療費の切り下げは無駄を無くすことで何とかしのいでいるが,これ以上の切り下げは,医療の規模を小さくしていくしかない.たとえば,手術など危険性の高い割に医療費の安いものはやめる.病床なども無くしてクリニック形式にするしかない.

2.マスコミの医療機関いじめは減ってきたようだ.これは単にマスコミの目が「いじめによる自殺」に向いているだけで,今は医療機関と医師に代わって学校と教師が叩かれている.マスコミに踊らされる政府(議員は大衆の代表だから仕方がないが)や国民に理性があるのか疑問になる.

3.カルテ番号は8000

4.レセプトの電子化を迫られているが,個人情報が漏れる心配があり,最後まで紙のレセプトでがんばりたい.政府から保険会社に漏れれば,保険料の格差や,病気になりやすい家系がわかり,差別される恐れもある.

開業してから4年と半年

1.今年の夏は酷暑のため以前にも増して,患者数が少なかったです.その代わり皮膚科は混んでいたそうです.

2.中古のエコーを買いました.医療器機は保証の心配はありますが,中古の方が断然お得だと思います.これから開業される先生は,インターネットで調べて購入されるといいですね.15位の予算で収まります.

3.外来でできる粘膜下下甲介骨切除術の新しい方法を開発しました.出血が無く,術後の痛みもほとんど無いです,実は自分のアレルギー性鼻炎の鼻閉と鼻水で悩んでいて,手術を受けたいのですが,その時間が作れず,簡単にできる方法を考え,内視鏡を使い,自分で自分を手術しました.一気にはできなかったので5回くらいに分けて行いました.

4.職員がすべてパートになりました.女性で家庭があると一日中働くのは困難で,半日のパートだと来てくれました.その分人数が増えたので,勉強会の回数を増やしました.

5.カルテ番号が5500番です.

開業してから4年弱

1.外来が少なくても全く焦らなくなりました(^^;)。

2.シェーバーシステムを最新の型にしました。これで、下甲介の粘膜下の組織も吸引切除出来ます。

3.幼児及び語音聴力検査をオープンフィールドで出来るように、改造しました。音圧較正も自分で行いました。

4.MRMSとの交渉も少しうまくなり、苦にならなくなりました。

5.掃除専門のパートを雇いました。

6.ホンダの一番小さい除雪機(スノーラHS550)を買いました。まだ使うほど雪が積もっていないので、性能は後日報告します。

報告:性能はカタログとおりで,圧雪は苦しいですが,降雪直後なら楽々除雪できます.かるい圧雪状態でも凍っていなければ除雪できますが,ムリをするとベルトが焼けてしまいます.私は2日間の使用でダメになりました.販売店の方にもっとやさしく使ってくださいと注意されました.この除雪機は自分で押す力が弱いので,人間が押すのを手伝わないといけないので,つい力まかせに押すと,無理になるようです.もし同じ機種を使う人がいれば気をつけてくださいね.販売店の方にもおもちゃみたいなものですから,と言われてしまった.かさばらないし,除雪にコツがいりますが,気に入っています.

開業してから3

1.今年(2003年)の花粉症は多ったが、長期投与が可能になり、外来の混雑がありませんでした。

2.タウンページを見て来る人が増えてきました。

3.午後のパートを一人増やしました。

4.医師会の代議員になりました。

5.勤務医時代や開業初期に比べて、心身共に余裕ができました。

6.カルテ番号が4000番を越えました。

7.2003年4月から健康保険が本人でも3割負担になりました。

8.電話代節約のため、フレッツISDNにしました。これで、時間を気にせず接続できます(*^_^*)

9.患者は緊張して聞いていなかったり、理解していないことが多いので、パンフレットの掲示と配布を行うようにしました。

開業してから2年と6ヶ月

1.はじめて(もちろん医者になってからはじめてというわけでは無いですよ)扁桃腺の摘出手術を局所麻酔で行った。手間がかかるので、開業医でやる人は無いでしょう。

2.医院の特色を出さないと集まらないことに気がついた。(遅すぎる!?)それで、今度の12月のタウンページに医療法改正に伴う広告規制の緩和があったので、それに従って、広告を出しました。でも、広告料って高いですね。庶民感覚ではついていけないです。

3.地元のFM放送に医療相談で出演することになりました(平成14年7月31日 12時 77.3MHz)自分の考えがまとまるので、勉強になりますね。

4.夏が近づくと、耳鼻科の患者よりも喘息や皮膚疾患が増えてきました。

5.7月には新薬(ジェネリックですが)の発売が多く、購入や在庫の整理であわただしいです。

開業してから1年と8ヶ月

1.駐車場に看板を追加しました.少しだけ初診が増えたような気がします.

2.福井市の都市景観賞(一般建築部門)をいただいた.自分で設計したわけでは無いのですが,やっぱりうれしいです.(一生に一度しか建てられないという思い入れがありましたし,通勤するときに自分の建物を見ながら通うわけですから,毎日見ても飽きないデザインを選びました)

開業してから1年と6ヶ月

1.なかなか患者が増えません。でも、そのぶん、一人の患者に対して時間をかけられるし、いろんな新しい治療法の研究もできる。

2.1.の原因はここに医院があるのが気づかないためと考えて、道路から見える看板を計画中。

3.自作の検査機器に味覚検査計が加わった。(味覚の閾値の標準化には5個も可変抵抗を買いました)

4.職員をパート中心に変更した。(これはなるべく専門性をなくして、誰にでもできる環境と設備にした。これによってミスも少なくなるし、お互いに仕事のカバーができる)

5.今年(平成13年)のスギ花粉症はとても多かった。

6.近くにコンビニができた。(ただしゴミの不法投棄が増えた)

開業してから11ヶ月

1.またもや保険の改正がありました(値上げして医院が老人のサロンになるのを防ごうとしている)医療に税金を使うことについては国民の反対も少ないと思うし、公共事業に使うくらいの景気の刺激にもなると思うけどね。

2.ついに21世紀になった。

3.自分の体調が悪いときに限って患者も多い。

4.患者一人一人じっくり診察していると一人あたりの保険点数が高くなるので気を使う。

5.レセプト残業がない。今のところレセプト枚数は他の耳鼻科開業医のたぶん1/3ぐらいです。(開業一年目はこんなもの?)

開業してから8ヶ月

1.なかなか医療機器を購入できなくなった。(これは借金返済の計画を途中に購入しないように立てたからです。途中で器械を購入することも予想しておいた方がいいですね。ほしいものはたくさんあるけど、レーザーとか手術の器械とか...)

2.順調に伸びていた報酬が少しずつ減ってきた。(急性疾患の多い耳鼻科では自然現象にかなり左右されるようです、でも慢性疾患がいいかと言えば治療していて治らないとつらいものがありますね)

3.近くのショッピングセンターに耳鼻科ができた。(まだ開業していないので、どんな影響があるのかわかりません)

4.2例の入院があり手術を行った。(最初の入院なので緊張しました。手術は難しくなかったけど、ご飯のことや入院の手続きなど初めてのことばかりで苦労しました)

5.やりたいことをやる、と言うことで去年は人生の中で一番長い夏休みを過ごしたわけだけど、開業の大変さを思い知りました。どんな世界もプロになるのは大変だということです。文学もアマチュア時代に書いたものが一番おもしろく、プロになってからはそつがないけどおもしろくなくなる場合が多いのと同じで、経営のことを考えていたら(これは大事なことだけど)診療はおもしろくないでしょうね。次から次と新しいことをやらないと仕事に興味が無くなると困るからね。それは飽き性だからかもしれないけど、それくらいしか取り柄がないです。もっと健康ならもっとがんばれるだろうけど、もしかしたら短い人生かもしれないしね。物の豊かな現代だからこそ心を一番大切にしようと思っています。だから、好きなことをやらせてもらっている自分は幸せ者だと思っています。元々人付き合いはうまいかもしれないけれど、とっても疲れるのが本音。人と競争するのも好きじゃなく、一人でいるととても落ち着けます。この性格はいい性格じゃないだろうけど、世界に一つだけの性格だから少しは大事にしてやろうと思っています。(みんなも自分を大切にしてね)

*だけど性格って他人と関係を持って初めてどんな性格かわかるわけだから、他人が決めることだよね?ある人にとってはいやな性格でも違う人にはいい性格かもしれないね。だから、性格なんかに振り回されない方がいいかも?

6.大きくなっても親と一緒に来る人が多い気がする。中学生や高校生なら風邪ぐらいでそんなに驚かなくてもいいのにね。今まで子供を育ててくれば風邪がどんな物かわかると思うけど...母親と息子に多いですね。

開業してから6ヶ月

1.暑い時は患者数が減る。(暑くて医療機関へ行くのがいやなのか、病気にならないのかわかりません)

2.カルテの番号が1000番を越えた。

3.新しい鼻内手術を始めた。痛みと出血がないので患者さんに好評。

4.医療小物はほとんどがホームセンターにあることがわかった。

5.固定資産税が高い。(木造でもっと安く建てればよかった...)

6.庭師にもならなくてはいけない。

7.最初から医療法人にしない方がいい。

8.通りがかりの患者が多い。

9.一部月極駐車場を始めた。(でもこれは医療法人では医業以外の収入があるといけないのでやめました)

10.持病の頭痛と腹痛が無くなった。(大学や勤務医時代に比べてストレスが減ったようです)

11.自分でできることは人に頼まず節約すれば、患者数が少なくても何とかやっていけそう。

開業してから4ヶ月

1.患者数は月曜日と土曜日が多い

2.開業後6ヶ月以内に県の保険課から集団指導と個別指導を受ける

3.職員の仕事が速くなったので勤務時間が遅く始まり、早く終わるようになった

4.新しい治療を始める余裕ができた

5.週の真ん中を休みにしてよかった

6.相変わらず入院患者がいない

7.開放病棟を使って手術をした

これからの計画

1.駐車場が広いのでその使い道を考える。(今のところ休みの日に趣味のラジコンヘリ、電動カー、フリマ?でもやろうかと思っています)

2.インテリアをさらに和めるようにする

3.2階(手術室、入院用部屋)を使いたい

4.ノートパソコンを診察室に導入する(LANはできるようになっていますが、デスクトップパソコンは大き過ぎますね)

5.無線LANの方が楽ですね

開業してから2ヶ月

1.精神的に楽になった

2.売り込みにくる業者が減った

3.薬がとても高いということがわかった。(仕入れ値の方が薬価より高いものもある)

4.勤務医の頃より書かなくてはいけない書類の数が減った。(これは予想外でした)

5.野立広告を出さなくても少しずつ患者は集まる。(開業場所によりますが)

6.患者と話す時間が長くなった

7.職員の人も含めて先輩後輩がないので仲がいい

8.お昼の休み時間が長い

9.まだ患者が少ないのでとても静か

10.医院の汚れに敏感になった(これはしばらくすると慣れる?)

11.できるだけ自作した(下駄箱、本棚、赤外線フレンツェル眼鏡、喉頭ファイバー立て、イオントフォレーゼ麻酔器、鼻内手術用電気焼灼器など)


最初に戻る