日々気づいたことが小さいことであればあるほど時間がゆっくり進んでいる.
御心(神) (2010-6-22)
神の世界には時間は無くて、
過去現在未来が
すべて一つになる
原因と結果が無くなれば、
すべての物をめぐり、
縁は消えてしまう
自己と他の区別もなく、
すべてが神のもの
やがて、自己と他の区別がなければ、
善と悪の区別もない。
意識は存在しない。
水棲生物(2006/7/6)
冷たい流れが右から左へ
今から起きても何もないさ
たくさんの影がちらちらと遠くで見えても夢の中
清らかな流れに包まれる一日が始まりて
遠くの影も光もまるで夢の中
雨
寒くて高い空には、つもった雲とちぎれた雲が横たわり
はらはら落ちて跳ね上がる。
白い蒸気が、足下を包み隠して上へ上へ向かっていく。
ほんの一瞬のその一生に
貴き輝きを光らせろ。
それがおまえの巡り合わせだ。
光が隙間から顔を出せば、しばしの休憩。
そしてまたここへやってこい。
遠くの島
まだ見たことのないだれにも知られることのない大海原に小さなまあるい島がありました。
真ん中には大きなヤシの木が風にふかれて揺れている。
ここから見えるのは海の広場
それでもきっとあるよ
きみもきっと気に入る、遠くの島
ぼくも夢見る遠くの島
機械のある生活(2007/01/23)
科学の発展が始まる前から人間は幸福だった.
ある日,賢そうな男が便利な機械を村に見せに来た.
村の人々はその機械が無くては暮らせなくなり,昔の暮らしを捨てた.
しばらくすると,男が新しい機械を男が見せに来た.
その機械は村の暮らしをもっと楽にした.
しばらくすると,男が壊れた機械を直す機械を持ってきた.
しばらくすると直す機械が壊れて,すべての機械が動かなくなった.
村は昔に戻ったが,人々は便利な機械のことが忘れられず,あまり幸せじゃなかった.
男は次の村へ出かけていた.
人間のイデア(2007/01/23)
短所
間違えること
感情の激しさ
利己心
嫉妬
狡猾
猜疑心
軽率
せっかち
時には長所となるもの
愛
勇気
同情
知識
長所
短所や長所を認識できること
目(2007/01/23)
初めて会ったとき
人の目を恐れる人はたくさんいるが
一瞬見つめても,それは心をうかがっている.
ずかずかと見つめる愚鈍な人とは違って
暖かく見つめるなら
人生を見つけ出そうとする天才である.
汝自身を知れ(2007/01/23)
世の中で一番は自分だと
そんな男でも外から眺めればただの人
じっくり観察すれば,良いところも悪いところもひっくるめて人とは違う
優しい態度が決断を鈍らせ,
頭の良さが抜け目の無さをきわだたせる
歩きながら考え事をして転べば笑われるか
天才は大したものだと噂される
何かに一生懸命ならないなら,
退屈な毎日に満足するが良い
恋心(2007/01/25)
見ているだけで満たされた心も
手に入れてみても,欲求は募るばかり
いっそすべての記憶を捨てて,最初に戻るならば
あの気持ちが蘇るのか?
恋とはそばに置いても,離れていても
心は満足しない
想い続けることが恋なのだ
穴が開いた樽のようにそれは決して満たされない
平凡(2007/01/25)
大衆は平凡を嫌い
自分たちの中に非凡を探す
努力して磨き上げた才能の影で
無くした平凡には気が付かない
そこには人間らしさもあるというのに
大いなる平凡には安らぎがある
すべてに平凡な人は少ないように
安らぎのある人生も少ない
OMOIDE(2007/01/27)
つらいときには,目を閉じて
昔の楽しい頃を考えてみる
哀しいときには,目を閉じて
昔の哀しい頃を考えてみる
楽しい思いはそのままで
哀しい記憶は消え去り
風景だけが残っている
幼い頃にもつらいことや哀しいことはあったはずなのに
今では思い出しか残らない
うつくしさと芸術(2007/02/03)
お金持ちでも貧乏人でも,
毎日,毎日,暮らしの糧に夢中
それでも晴れた日に外を眺めれば
青い空や果てしない地平線に
一瞬のうつしさと心細さと感じる
だけどすぐに
そんなこともわすれて日常に戻るのさ
自然の中の
きれいな形を見つけられるのは
一握りの変人たち
頼まれもしないのに
せっせとそれらを掘り起こす
彼らは人間にしばられない
飾りも名誉もいらない
身につけるのはうつくしさを見つける眼で十分
ある人(2007/02/03)
目の前を多くの人が現れては消える
たまには再会するときもあるけれど
誕生から消滅するときまで
知っている訳じゃない
魅力は人を引きつける
適齢期の女なら,男を引きつけるだろうが
それは一時的な心の迷い
人間の美は年齢には影響されない
ギリシャ時代にはそいつを求めて
たくさん創られた置物
自然よりも人の中にそれはある
荒馬の絵(2007/02/06)
心惹かれるものは,
猛々しく動き回るもの
荒々しくわき上がるもの
そして物語があればもっと良い
人の欲求は強く,
常に何かを求める
奇怪なもの,異常なものを人は喜ぶ
そして自由であればもっと良い
確かに,その中に生きる自分はいる
絵になってみれば
なんと落ち着きのない
露骨な姿であろう
しかしそれは生きるものたちの姿だ
等しきもの(2007/02/09)
自ら舵をとれる人は
それは正しいと言えるだろう
家族や友人や恋人を考えないで
行動できる人はいない
まして,まわりで彼らがしゃべりかけてくるなら
まるで空や海が揺り動かされるごとく
自分の居場所がわからなくなる
もっと自分を高めるのだ
高見にあるすばらしさは等しくなるまで登らないと見ることはできない
見渡せば彼らの姿は無く
自分の影だけ見えている
写真
レンズに映る顔はいつもと同じ
フィルムに映る顔はいつもと同じ
だけど後に見える電車は進んでいるのか止まっているのかわからない
時間が止まった世界の中では
動物たちの意識は感じられない
止まった時間に意識を持つのは植物たち
写真で見ても,ビデオで見ても
だけど人間は生きるのをやめている
空間があっても時間がなければ
意味がない
さあ動き出せ
止まった世界には
音がない
使うことができるのは目だけだ
写真の中で生きていけるのは緑の生き物