運動の効果についてはすでにたくさんの報告がされていますが,心理面に対する効果については不十分です.保健体育の時間にも昇華といって青春の葛藤(死語)をスポーツで解消しましょうと教科書にも載っていたはずです.しかし,スポーツでは人間関係やそのスポーツ技術が上達に対するストレスがあり,頭でわかっていてもその効果は少ないですね.わかりやすく言えばスポーツしているからストレスが少ないとは断定できません.その点,一人で走るジョギングは本来の運動の効果のみが出ると考えられます.
日本では昔は労働と言えば体を動かすこと,休養と言えば身体を休めることと定義づけていたようですが,もうそんな単純な社会では無くなっているので,労働はすでに体を動かすことが大変じゃなくて人間関係におけるストレスが問題になっています.(労働時間の短縮をしても家でのごろ寝しているだけではストレスはとれません)ほぼ半数の人が何らかの仕事上のストレスを感じているのですが,その人たちは完璧主義,A型人間と言われる人たちです.それで,治療になるわけですが薬物療法,カウンセリングなどありますが,元々そういう気質なのでほおっておけばすぐに元へ戻りますので,続けて治療することが必要です.もっとも手軽な治療方法は運動療法です.体力がある人はランニングから,自信のない人はサイクリングがいいでしょう.20分以上運動すればβエンドルフィンが分泌されリラクゼーションがとれます.西洋型のライフスタイルになっている現在,運動は休養に変わりうるストレス解消法となります.