H15年 9月10日
笑み衛門さんから藍のレンジ乾燥の資料が届きました。レンジでチンして保存しておけば、生葉収穫の夏場でなくても藍染めができるというものです。この場合の染まり具合はほぼ生葉染めの時と同様の青色になるようです。今回はとにかくチンして乾燥葉を作ってみることにしました。 |
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笑み衛門さんのHP→ |
1 安定した乾燥は定量で!
レンジで一度にチンできる生葉の量はおおよそ30グラムです。計量しておきます。 |
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大皿にのせるとこれくらいの量です。重なった部分は乾燥しにくいので一度にたくさんするのはよくないと思います。 |
2 早速チンします
全体がカラッとなるように… |
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レンジは高周波出力600Wです。2回に分けてチンしました。1回目は2分間です。これでかなりしなっとなってきます。かなり熱くなっているので取り扱いは要注意です。全体をよくひっくりかえし、重なってくっついているところははがしておきます。2回目は1分30秒です。これでほとんどカラカラになっていますが、しっとりしているところがあればさらに20秒ほど追加します。乾燥中はまるで枝豆を茹でているときと同じ匂いがします。何よりも緑色がそのまま残っているというのが素晴らしい。 |
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カラカラです。 |
3 重さの変化は?
30グラムをチンすると5グラムぐらいに?。秤のスケールが10グラム単位なのではっきりしない。60グラムでみてみると、10グラムを指していました。おおよそ生葉の6分の1になってました。資料では5分の1(よ〜く乾燥させたからかな?).。乾燥葉は全体で50グラムできました。すぐにビニール袋に10グラムずつとりわけ、口を完全密封し、さらに加工日、グラムを表示したシールを貼っておきました。これで完璧です?あとは冷暗所に保存です。 |
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4 なぜ、チンした葉で染めることができるのか−その理由
先ず、染まる仕組みについてです。九隆庵BBSより抜粋です。
笑み衛門さんへ 投稿者:九隆庵 投稿日:08月05日(火)00時45分07秒 [519]
大体分かってきました。藍の中にはインドキシルとブドウ糖が結びついたインジカンという物質が含まれています。生葉染めの場合、ミキサーがけという物理的方法でインドキシルと糖をインジカナーゼという酵素で切り離します。そうすると不安定になったインドキシルは絹のたんぱく質に2分子ずつくっつき、オキシドールによる酸化でインジゴになり発色するという訳です。で、乾燥した藍の葉でできないかということですが、乾燥させるとインジカンは酸化してしまってインジゴに変わってしまいます。インジゴは不溶性なので染められません。
笑み衛門さんへ〜ますます高まる好奇心 投稿者:九隆庵 投稿日:08月06日(水)20時25分21秒
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っていう訳で、実験しないとどうもこの話は落ち着きませんね。何とか8月中に少し糸口つかみたいと思います。レンジでチンもあるらしいですね。これはインドキシルとブドウ糖を分離するインジカナーゼという酵素を熱で壊してしまうということでしょうね?多分?いろいろ工夫するとあるものですね。レンジは手っ取りばやいので何とかできそうですね。紫染めは、笑み衛門さんのBBSに文献載せときました。参考にしてください。
月6日のカキコミにあるように、レンジでチンすることでインジゴになる原因のインジカナーゼを失活してしまうわけです。そうするとインジカンのまま残っているという訳です。放っておいて枯らすとインジゴになってしまいます。
<染めるときはどうする?>
笑み衛門さんから頂いた資料では、レンジの乾燥葉を熱湯で抽出し、インジカン抽出液を作ります。酵素が働く25〜27度まで温度を下げ、そこに粉砕した自然乾燥葉を入れ、自然乾燥葉に残っている酵素と反応させるということです。つまり、自然乾燥葉も必要ということです。今のうちに収穫しておきましょう。この方法は下の文献によるものです。
<参考文献>
レンジでチンする方法の詳細は次の文献に載っています。
「いつでもできる藍の生葉染め〜藍の生葉の保存と染色方法〜」 川崎充代 牛田智 雑誌「染織α」NO.246 P69〜P72
<乾燥葉だけでできないのか?>
レンジでチンの方法以外にも、自然乾燥葉で染色しようという取り組みもあります。インジゴをアルカリで還元すると水溶性の無色のロイコインジゴというのに変わるようなので、布にロイコインジゴを染み込ませその後、酸化させれば、布の上でインジゴができるという計算です。この還元剤についてはまた調べておきます。
笑み衛門さんありがとうございました。ますます深みにはまっていきますね〜。
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