簡易いろりで火を囲んで食べよう! 
        

                                              平成21年11月3日(火)

 


 ガスのコンロでもそうですが、火を囲んで鍋をつついたりするのは楽しいし、食欲も増しますね。九隆庵ではいつもは「水火鉢」というのを使って焼き物をいただいたりしていますが、和卓(昔作ったジャンボコタツの天板)の上に置いて使うのでは、ちょっと風情がないなあと思っていました。また、コタツの上で使うとコタツ布団なども汚れやすく、掃除もしにくい!そこで、思い切って、「いろり」を作ってしまえば、火を安全に使えるし、食べる場所も決まることで汚れも始末しやすいと考えました。
 いろりの基本形は四角形で、水火鉢を中央に置くようにしたもの。火事にならないための配慮と低コストを目指しました。


 
1 材料と基本構造
 材料はほぼ木材のみ。しかもシンプルです。6,000円程度で完成させることができます。
・SPF材 23.5×3.8×182cm   2本(1本1,700円程度)
・SPF材 14.0×3.8×182cm   2本(1本700円程度)
     (写真では1本ですけど、後で1本追加しました。)
・SPF材 23.5×1.5×91cm   1枚
・速乾ボンド
・塗料(ワトコオイルフィニッシュ)    少量
・砂利(カントリーロック)         1袋
・その他、仕上げ用にサンドペーパー
・道具類はのこぎり、鉋、ノミ(小刀)、スコヤ、曲尺など


 
2 材料の切断

 今回の制作の最大のポイントは、斜め45度での切断をいかにうまく行うか…です。天板は4枚の組み合わせなので、斜め切りが上手くできなければ、組み合わせることすらできません。しかし、この斜め切りの接合は綺麗にできれば見ごたえはあります。
 墨付けの時には、右の写真のように、スコヤと曲尺を組み合わせたりして、正確な45度の墨付けをしておきます。その後、切断ですが、線に沿って切ることはできても、のこぎりを垂直に進めることは実はかなり難しく、切り始めはよくても、徐々に勝手に曲がっていくこともありますので、要注意です。うまく切れない場合は、スライドマルノコを持っている人に、切ってもらいましょう。


 3 接着
 今回は釘を使わず、すべてボンド接着のみで組み立てます。肝心の天板部分は、接合時に必ずずれが出るので、修正をいかに上手くするかが腕の見せ所です。切断面の大きな狂いは鉋がけで修正します。また、隙間は切断した際に出たくずをボンドで練って埋め込みます。少し乾いたなと思ったら、木のかけらの角を使って、盛り上がった部分を削り落としておくと乾燥したときの修理が楽です。
天板を組み合わせ、ボンドで接着。うまく組めないときは、それぞれの板で少しずつ修正をします。 天板が乾いたら、側板を付けます。天板の開いた四角形に合わせて切って貼り付けます。 底板は、側板の四角形に合わせて墨付けをして切断し、すっぽり嵌まり込むようにします。

隙間は修正します。周りにボンドをあまり付けないと、後でのペーパーがけが楽です。 内側の合わせの部分の隙間にも、くずを詰めました。乾燥したら、のみなどではみ出たボンドを削ります。 側板や天板の角などは、やすりがけをしておきます。


 4 塗装と内側の安全確保
ニス系は熱に弱いので、オイル塗料を薄く塗りました。これで汚れがつきにくくなります。 内側には、ガーデン用の砂利を入れます。木材の雰囲気に合わせてカントリーロックにしました。 内側の様子です。火鉢が安定するように、木材を2本入れておきました。 完成です。念のため、底には底にあわせて切ったベニヤ板を1枚かませてあります。



    制作を終えて
 やはり要は斜め切りの良し悪しです。何とか完成できてほっとしています。いろりを置く場所は、ライティングに気をつけたり、和の雰囲気になじむ和の室礼になるように工夫すると楽しいでしょう。今後、こういうことにも気をつけて実際に使っているところの写真もUPしていきたいと思います。

 <ご注意>このいろりは水火鉢の使用を前提としたものです。水火鉢は、2重構造になっていて、外の鉢には水を入れて使うようになっており、鉢底の温度が極端に上昇しないような構造になっています。ただし、水が蒸発してしまうと、温度は一気に上昇してしまうので、水の管理には十分に気を使う必要があります。砂利を入れてあるので、さらに安全ではありますが、温度の上昇には十分な注意が必要だと思います。