竹の根の持ち手で渋くきめる!   平成17年10月16日 

 酒器や土瓶を陶芸で作ると困るのが、持ち手の部分の制作です。秋に藤蔓やあけびの蔓を刈り取っておけばいいのですが、そうもいかない場合もあります。今年の夏に作った青ガラス釉の酒器セットに、持ち手を付けるのにどうするか困りましたが、何とか解決できました。そこそこうまくいったので紹介します。

材料・道具を揃えよう
・竹の根(ダイソーで売っています。2.3本セットになってます。ありがたいですね〜)
・アルミの太い針金(径3ミリ)   ・真鍮の針金(これもダイソーにあります)
・ナイロンの紐  ・鍋  ・軍手 
・のこぎり ・彫刻刃 ・ペンチ ・電動ドリルとドリルの刃(錐でもよい)
・透明スプレー塗料
 作業は簡単ですが、ちょっと面倒なこともあります。でも、大丈夫です。

先ずは竹の根を煮ます
おおよその長さに切って、鍋で煮ます。竹が膨らんで伸びるので鍋ぴったりに切らない方が無難です。 15分後:初めは硬かった竹の根。少し柔らかくなってきました。でもまだ無理はできません。 30分後:かなり柔らかくなってきて頑張ればもっと曲がるけど、折れたら終わりなのでもう少し煮ます。 45分後:鍋から取り出して適当な物をあてがって曲げます。ゆっくりです。決して無理はいけません。 曲がり具合が均一になるように、曲がりにくいところは少し縛って引っぱります。

竹の根を加工します
注意すること

金具は酒器の内側から外側に引っ掛けるように取り付けてください。逆だと外れやすくなります。
長さを確認した後、金具の部分の削りをします。彫刻刃で加工すると楽です。ドリルで穴も開けておきます。 アルミの太い針金をペンチでこのように曲げます。ペンチの歯型があまり付かないようにそっと曲げます。 抜け落ち防止のために、先端を少しだけ内側に曲げます。曲げてから切り落とす方が楽です。 竹の根の穴に真鍮の針金を差込み、動かないことを確認してから、強く巻き上げていきます。
竹の根は、どうしても元に戻ろうとするので、紐で縛っておいて、塗装します。
巻き上げた針金の最後の先端は、竹の根の中にしまい込むようにします。ここがちょっと難しいかな? これで完成です。やっと使える形になりました。
これで一杯やるのはたまらんですな〜。
どうです?飲みたくなってきたでしょ?
この酒器は、2005年7月陶の作品でごらんください。

 持ち手までダイソーに売っていて驚きましたが、プラスチックでは趣が足りません。やはり自然のもので、しかも手作りで作ってみたいですね。材料が安く手に入る時代ですから、作る楽しみは、やる気次第でどんどん広がりそうですね。