土で作る楽しみ 
    平成18年9月の作品   
 
   
   H18年 9月18日                               画像にカーソルを置くと別画像になるものがあります。
  
     前回に引き続き黒の器がメインかな…。前回よりもさらに渋くするために釉薬が少し垂れたり溜まったりするようにしてみました。
    土は赤鉄砂土に黒陶土を混ぜたので、焼き上がりの高台まわりの土色はまあまあ落ち着いた雰囲気がでました。
    白のすっきりとした器も作りたくて、月ヶ瀬桂4号土の白土に、白化粧を薄く掛けて手触りのいい片口ができました。
    白化粧のどぼ浸け薄掛けの湯呑みなども生き生きした感じがでたかも?
    今回は結構きれいにまとめられましたが、まだまだ満足せずに渋さ、きれいさを求めていきたいと思います。
    かわいいカップも少しだけ作りました。今回はどれがお気に入り?    
 
飯碗:赤鉄砂土と黒陶土を1:1の割合で混ぜ、はぜ石もMIX。漆黒釉+いぶし釉+木灰多めのMIX釉をかけた。吹きがけで下地を作った後、外側は刷毛塗り。特に内側ははぜ石を避けるように釉薬が流れ、かなり渋い雰囲気が出せた。木灰のこまかなあぶくを良しとするか、×とするか…。高5.7径13.0  皿:高7.5 径11.7 小皿:左と同じ土と釉薬。こちらは最初から刷毛塗り。わざと重なり目を作って濃淡が出るようにしたが、結果は良好。重なり目は木灰が溶けてにじんだ溜まりを作っている。前回から目指している「焼け跡から出てきたような感じ」にはちょっと近づいたかな?…高3.8  径12.4 飯碗:左と同じ土と釉薬。これも刷毛塗りのみなので微妙なにじみなどが出ている。こういう深めの黒の飯碗でお茶漬けなど、さらさらと頂くといいかも?口辺には少し変化を持たせました。底削りが足りなくて、少し厚い部分があるのが難点。 高7.3 径11.6

飯碗:赤鉄砂土に信楽赤土や黒陶土、はぜ石まで混ぜたもの。釉薬は上の3個と同じ。土が違うので、全体的に釉薬もやや茶色系になってしまっている。それはそれで雰囲気はいいが、黒を目指していたからなあ…。渋いといえば渋い。普通にご飯食べるには丁度いい感じです。高6.4 径11.6 フリーカップ:土、釉薬は左に同じ。フリーカップとして作ったが、何に使うといいかな?いも焼酎のお湯割をこれでぐびっとやるとたまらんかも…。口辺を広げて反って作ると飲み易さは増すし、デザイン的にもいい感じなんだけど、安定感が減るなあ…。高8.3 径10.0 長皿:土、釉薬は上に同じ。黒の長皿はいろいろ使えて便利なもの。釉薬の溶け具合の細かな変化を見て楽しめる。全体を吹きがけしたが、均一に釉がかかっていて嬉しい。乾燥時に反ることが怖くて、ずっと重しを載せておいた。素焼き時もツクを載せて反らせないようにした。長29.2  短12.3

ゆらりの片口:伊賀の土の月ヶ瀬桂4号土の白土、素焼き白化粧吹きがけの後、透明マット釉吹きがけ。ろくろで薄く成形して、さっと歪ませ、口の部分も付けて片口に。こういうのがテーブルの上にあって、手作りドレッシングなど入れておくと結構いい雰囲気かも?ワンポイント模様も入れました。高6.5 径 長12.2 短:9.6 湯呑:土は赤鉄砂土に信楽赤土や黒陶土、はぜ石を混ぜたもの。素焼き白化粧土を通常の2倍ぐらいまで薄めて、どっぽり浸したもの。白化粧もこうすると生き生きしてくる。外側にろくろ目を大胆に入れることで、さらに変化がでてくるというもの。透明マット釉で仕上げて、マットな感じを出してます。高7.0×9.7 マグカップ:土、釉薬、作り方は左に同じ。こういう素朴な感じのカップは女性に人気があるのでは?白化粧部分に線削り模様を入れてかわいい感じに仕上げました。見た目はどっしりしていますが、高台は削り上げているので、思ったより軽く感じるはず。白化粧の垂れ具合もまあまあ。高14.6 径8.2(持ち手含まず) 

ミニカップセット:黒陶土はぜ石混ぜ。絵付けは白化粧をベースに、いぶし黒釉と陶絵具で。透明マット釉。皿付きだからかわいいでしょ?右の豆みたいなのはおつまみ入れだよ。名古屋なんかでは必ずピーナッツ付いてくるからね。結構かわいいです。カップ高5.7 径7.2 珈琲カップ:月ヶ瀬桂4号土。内側は白化粧吹きがけ。絵付けはいぶし黒釉と古代呉須と陶絵具。全体を透明マット釉で仕上げ。以前作ったことがあるデザイン。いい感じなんだけど、呉須に少しむらがでた。まあ許せる感じだけど。内側は白化粧の効果で、つるつる感があり。高13.7 径9.6 珈琲カップ:土や釉薬、作り方は左にほぼ同じだが、全体に白化粧をかけてある。絵付けの線描きは古代呉須。変なデザインになってしまったが、これはこれでかわいいという声も…。高7.6 径8.7

豆皿:最上段の飯碗と同じ土。手びねりで成形。白化粧薄掛け後、古代呉須で絵付け。透明マット釉を掛けたので、やや濁った感じの薄い白色という印象になった。渋いといえば渋い。この手の渋さは下手すると安っぽくなったりするので、結構怖い世界だ。径10.0 箸置き:赤鉄砂土。白化粧薄掛け。透明マット釉。白化粧を掛けた後、成形時に作っておいた中央の凸凹部分を濡れタオルで拭いて、白化粧に変化を持たせた。あまり本気で作らない箸置きだけど、今回はイメージが先行していたのでいい感じでできました。長6.6 短2.7 フリーカップ:月ヶ瀬桂4号土。禾目トルコ結晶釉。色は十分だが、肝心の禾目模様が出ていない。禾目は稲穂の米の先に出ている細い穂先のこと。渋くできたので失敗とは思わないでおきたい。今度はてびねりでごつい感じの珈琲カップを作ってみたい。銀彩を入れてもいいなあ…。高6.5 径8.4

ぐい呑み:古信楽荒目土。織部、金茶窯変釉。金茶がうまくでなかった。もう少し発色するものだと思っていたが…。織部の発色はまあまあだが、もう少し濃く出てほしい。失敗だけど、これでも十分に酒は進みます。高4.0  径6.6
 渋い黒はまあいい感じでした。もっとマット調で、錆の雰囲気があるものもいいなあと思うので、今後、挑戦してみようと思います。ここから先が、本当に難しいと思います。白化粧は、掛け方の工夫次第で色々な変化を楽しめます。簡単なようで結構奥が深いものだと思えます。カップ類のデザインは、今回はちょっとしょぼかったので、今度製作するときはデザインをよく考えて取り組みたいと思います。おまけで作った織部は、いまなお不満足。酸化銅を増やして挑戦しないと…。

 7月、9月と順調に製作が進んだけど、秋は忙しい。きっと停滞してしまうだろう〜。冬までには冬用の酒器セットなど作れるといいですね。ま、できるだけ頑張ります。