土で作る楽しみ 
    平成18年11月の作品   
 

   
   H18年 11月12日                                画像にカーソルを置くと別画像になるものもあります。
  
     秋は忙しくて時間もなく、成形も気ぜわしく行いましたが、まあまあの出来でした。
    黒の器はタルクの釉薬を混ぜて使ったので、前回のような釉薬の溶けた感じ、色のにじみなどがほとんどなく、
    奥深さが感じられない結果となりましたが、渋い雰囲気は結構出ました。まあまあです。
    白化粧は大体予想通りの出来で、特に薄く成形した湯呑みなどは、かなり満足ができました。
    かわいい作品はあまりなく、落ち着いた感じのものばかりとなりましたが、いかがでしょうか?今回はどれがお気に入り?    
 
丼または茶漬け飯碗:信楽赤土に砕いたはぜ石を混ぜた土。漆黒釉にタルク黒マット釉を混ぜたものを刷毛塗り。強いろくろ目とタルクの刷毛塗りの流れがうまく合わさった感じになった。荒々しい感じにするとタルク塗りのテクスチュアーは生かされる。大きさも丁度よい感じ。茶漬けがいいかな?高12.4  径12.7 左:信楽白土に砕いたはぜ石をMIX。釉薬は左に同じ。右:信楽赤土で釉薬は同じ。左右ともに刷毛塗り。タルク釉はもともと変化の無い釉薬。だから変化を楽しみたい鉢物はいまいち深みがなくなってしまう。左の丼とは違って、ろくろ目もないのでのっぺりとした表情になってしまった。渋いと言えば確かに渋いのだが…。左:高5.5  径14.8 右:高5.5 径14.0   信楽赤土。左側は漆黒+タルク黒マットだが右はそれにさらに透明マットを薄掛けしたもの。右は所々がマット状になり、一見すると釉薬が剥げているのかというような印象だ。確かに目指すところの「火事場から出てきたような」感じがするが、好き嫌いが出るかもしれない。 左:高4.2 径11.3 右:高5.3 径11.9

信楽赤土。釉薬は上に同じ。透明マット釉をしっかり掛けたもの。よく掛かっている分、黒の上にやや黄色身を帯びた薄いもやがかかったような雰囲気になっている。もやもやの具合が丁度いいが、余りに多くなると汚い印象を持たれるかもしれない。難しい加減ですね。高4.5 径12.0 酒器セット:信楽白土に砕いたはぜ石をMIX。白化粧土に古代呉須を混ぜ、みごで塗りつけ。さらに白化粧土を塗りつけ上から赤絵具でドット打ち。木灰透明釉掛け。内側は白天目釉。透明釉がきれいに掛かり艶々だ。夏向きのポップな片口酒器セット。酒が進みそうだ。片口 高8.0 径10.4×9.5 ぐい呑み 高:5.0 径6.5 2個セット フリーカップ:信楽赤土+信楽荒目土。呉須入り化粧土を薄く塗り、いぶし黒釉のライン引き、白化粧土のライン引きをして、上に木灰透明釉掛け。内側は青白磁釉、全体的に汚くなってしまった。青が薄すぎた。青が濃かったら違った印象になっていたはず。思うようにはなかなかいかない。高7.5 径9.2

信楽白土+砕いたはぜ石。古代呉須混じりの白化粧土を前面に塗った後、手で揉んで凸の部分は擦り落とし、さらにいぶし黒釉と赤絵具のラインで模様を付けた。木灰透明釉掛け。いぶし黒釉をみごで塗ったが、ちょっとしつこくなってしまった。しつこくならない程度というのがなかなか難しい。ろくろ目は楽しい。高6.0 径7.6 湯呑3個組:信楽赤土。素焼き白化粧土に木灰透明釉掛け。薄く成形したあとろくろ目を大きく出すために捻ってある。白化粧が垂れるように素焼きに水分が十分に含むまでどぼ浸けしたもの。いい表情になった。このシリーズは今後も作っていきたい。簡単だが満足のいく作品になった。高5.5 径9.2 左と同様だが、ワンポイントに織部のドット打ちを入れた。かわいい感じに仕上がった。織部のにじみ具合がとても優しく感じる。外側の白化粧がもう少し濃くてもよかったが、織部の表情を生かすにはこれはこれでもよかったかと思える。高5.2 径8.2

信楽赤土にはぜ石を混ぜた土。白化粧後に織部のドット打ち。木灰透明釉。ろくろ目を出すために白化粧土を薄く擦り落とした。ろくろのラインはよく出た。高台は削ったままの状態にして素朴な感じを出した。高7.5 径7.6 信楽赤土にはぜ石を混ぜた土。白化粧後にいぶし黒釉の模様付け。木灰透明釉。やはり白化粧が薄かった。模様の発色を見ると「いぶし黒釉の全体掛けに木灰透明釉掛けという黒の器」も今後検討すべきかなと感じた。高6.2 径8.0 信楽水ひろくろ土。青白磁釉掛け。外側の上部にはくぼみをつけ、内側はとびカンナの模様を付けた。薄くてしかも釉薬がきれいにのった。とびカンナの模様も楽しい。釉薬を均等に吹き掛けするのに気を遣った。高5.4 径9.8

右上の青白磁釉の作品と作りは同じ。小さめだが手頃な大きさの小湯呑み。口辺は少しだけ反り気味なので、飲みやすくお茶の味もよく伝わると思う。きれいにできた。高5.5 径8.1 信楽白土に砕いたはぜ石を混ぜた土。失透黄マット釉。かわいいカップになったが、失透黄マットと土の色が似通っているので面白さはあまりなくなっている。失透黄マットは洋風の皿などにいいかもしれない。高6.5 径7.1 ぐい呑み:信楽赤土。織部釉に酸化第二銅を混ぜた釉薬。緑というより黒になった。しかも銀の光沢が出ている。雰囲気はとてもいいが、濃い緑色を期待していた。酸化第二銅の添加割合を減らせばいいのだろうか?再挑戦しないといけない。高4.5 径6.5

箸置き。奥2個はタルク黒マット釉。中央は織部ドット打ち。手前は白化粧の上に織部掛け。余り土などで簡単に作ったものだが気が楽な方が意外と風情のあるものが出来たりする。

 次回はタルクは使わないかも…。今回、十分に試せなかった重ね掛けにもう少し挑戦するかもしれません。
白化粧は、生き生きとした感じを出せるように、この調子で頑張ります。
織部は濃い緑色が出るように幾つかテストする必要があります。うまくいくまでは相当時間がかかるかと思います。
青白磁の釉薬は、もう少し濃い目でどうなるかもテストする必要があります。
いろいろ課題がありますが、時間との相談で、できることもあればできないこともある訳ですが、年内には
もう一度本焼きできるといいですが…まあぼちぼちというところでしょう。ま、できるだけ頑張ります。