土で作る楽しみ 
    平成19年8月の作品   
 


   
   H19年 8月1日                          画像にカーソルを置くと別画像になります。
  
      7月中に本焼きを完了したくて、6月中から成形にとりかかっていましたが、1ヵ月も土に触らない状態もあり、成形を
    完了したのが7月下旬。イメージは大体出来上がっていたのですが、慌てた分、もうちょっと…というものもありました。
    今回の作陶のメインイメージは鉄粒が出ている濁った白化粧です。白化粧には思い切って共土をたくさん入れましたが、
    焼くと完全に白くなっていて、イメージとはかなり違う感じでした。さらに透明マット釉を使うことで濁りが出ることを期待しましたが、
    期待された濁りは思ったほどは出ませんでした。黒の飯碗は予想を超えるよい出来で、完成度が高くなりました。
    形としては脚付きのものを幾つか作りました。形はまあうまくできたかと思います。 
  
 
料理鉢 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土に素焼き後、素焼き化粧土かけ 透明マット釉:化粧土の垂れ具合がとてもよい感じだ。白いので料理を盛るとよいだろう。狙いは軟質な濁った感じでしたが逆に硬質な感じになってます。家族の中では1番人気です。径13.5 高6.2 飯碗 土は左に同じ。漆黒釉を全体に吹きがけしたあと、口辺内側に乳鉢でよく磨り潰した木灰を吹きがけしたもの。予想通り口辺に細かな垂れが出て、とてもよい出来になった。サイズや肉厚もよく、手取りもよい。満足できる渋い黒の碗ができた。径14.4 高7.3 煮物鉢 赤鉄砂土にはぜ石を混ぜた土 全体に木灰を薄く吹きがけし、その上に漆黒釉を吹きがけ:成形時にひねりを強く入れたので見た目の面白さはある。下地にかけた木灰が漆黒釉を溶かし、飛び出たはぜ石周りに絡んでいるのが渋くていい感じだ。径14.6 高6.5

脚付き突き出し小鉢 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土に素焼き後、素焼き化粧土かけ 透明マット釉:よく似た感じだがお腹の膨らみがあるものとないものの2種。こういうものの成形はとても楽しい。やや大振りになるが酒器としても使える。化粧土の垂れ具合が丁度よい感じだ。径9.5 高6.3  盃 信楽赤土+御影粒+はぜ石 生土化粧土かけ 透明マット釉:御影の効果があまり出ず見た目はシンプル。化粧土も薄く、赤土の色が透けて見えているが、こういう風合いがいいという人もいるかもしれない。薄く仕上がっている。気軽にぐいぐい呑めそうだ。径7.4 高4.6 盃 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土 透明マット釉:腰の部分に変化を持たせた。腰の部分の内側はやや厚めになってはいるが、手取りのバランスは不思議とよい。白に見えるが実際は少しクリーム色がかっている。この盃で呑む酒は美味かろう。径5.8 高5.6

脚付きカップ 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土 透明マット釉:脚の部分を広くとっているので安定感は抜群。洒落た形にはなったが、はて?これで何を飲んだらいいものか。悩みどころである。冷酒をたっぷり注ぎ込んで、ちびちびやるのもいいかもしれない。径7.5 高9.3  ひねり小湯呑み 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土に素焼き後、素焼き化粧土かけ 透明マット釉:ひねった凹みの部分に化粧土がしっかり溜まり、変化が楽しめる。こういう形の土くさい器にはもう少し、土色の黄色みを帯びた化粧土や釉薬をかけたい。口辺を薄く作ってあるので、茶の味や酒の味を鋭く感じ取れるはずだ。径8.7 高6.1 酒器セット 赤鉄砂土にはぜ石を混ぜた土 内側と外側2/3に白天目釉かけ:丸くほっこりとした酒器は手の平で包み込むように持ったり、注ぎ口に親指を掛けて注いだりと、完全に手杓状態を狙ったもの。一人でじっくり酒を味わう時をイメージ。若干注ぎ口が低いのが難だが、下部が広がっているので、結構な量は入るはず。径10.0 高6.8 猪口径6.1 高4.2

フリーカップ:赤鉄砂土はぜ石混ぜ 生土化粧土と素焼き化粧土の2重かけ 木灰透明釉 いらぼ釉たらし:はぜ石は余計だった。鉄粒だけで十分。いらぼ釉の垂れた部分は黄色になってるが、これも賑やか過ぎ。径11.5 高7.5 フリーカップ:土、釉薬とも左に同じ:ワイルドな化粧土のかかり具合や、口辺のそりの部分の少し下と腰の部分にの櫛目は見て楽しめる。径10.8 高8.5 湯呑み 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土 透明マット釉:手にしっくり馴染むフォルム。やはりこれも白さをもう少し押さえたい。径8.6 高8.0

湯呑み4個 信楽赤土+御影粒+はぜ石生土化粧土と素焼き化粧土の2重かけ 木灰透明釉:シンプルな湯呑みで土色も深みがないが、娘には何故か人気。「使いやすそうだ」というのが理由らしい。なるほど…だ。径10 高6.7 たたら横長皿 赤鉄砂土はぜ石混ぜ 生土化粧土と素焼き化粧土の2重かけ 透明マット釉:たたらは切るのではなく伸ばすだけにして端っこの変化を生かした。サイズは小さいが、盛り付けは映えるのではないか。長19.6 煮物鉢 赤鉄砂土はぜ石混ぜ 素焼き後、化粧土、漆黒釉木灰混ぜ釉、黄いらぼ釉をかけ分けたもの:白化粧と漆黒釉の相性はよかったが、いらぼ釉は溶けきれず張り付いたまま。残念な結果となった。径17.5 高6.7

たたら四角小皿 赤鉄砂土はぜ石混ぜ 生土化粧土を掛け素焼きした後、端々を掻き落とし、落とした部分に黄いらぼ釉かけ。全体に木灰を吹きがけした後、透明マット釉かけ:表情をよくするために、たたらは指跡をわざと残してある。いい表情になった。小品だが意外とかわいい。長16.9 短8.5 もう一枚は長11.3 短9.0 小皿 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 生土化粧土に素焼き後、素焼き化粧土かけ 透明マット釉:ちょっとしたトレイとして使えるかな?
箸置き 赤鉄砂土はぜ石混ぜ 櫛目を付けたところに化粧土を染み込ませたもの。透明マットをかけた上から古代呉須で線描きしたら、渋い発色になった。
ペーパーウェイト 赤鉄砂土:黒陶土=1:1 化粧土の上に古代呉須でデザイン。古代呉須の発色がとても渋くてよい。この色合いは今後の作品作りに生かせそうだ。古代呉須のドットに混じって、鉄粒の溶けたものが見え、いいコンビネーションとなっている。長23.4

透明マット釉を使って、濁りのある渋い作品作りを目指したけれど、硬質な感じになってしまって失敗と
言うところだろうけど、意外に評判はよく、こういうのもありかと思ってしまう。満足せずに再挑戦したい。
白化粧はまだまだ思うようになっていない。かけ方はまあいいとしても、色合いはまだまだ。
黒の器は、満足できるようになってきた。釉のにじみ、焼け跡から出てきた雰囲気を目指して頑張りたい。
脚付きの器は、内側の成形が完全であれば、外側の多少の厚みは削りで解消できる。
慌てた割には、まあまあの出来だったかもしれない。夏の間にもう一度本焼きまで完了させて
レベルアップを目指したい。今後も積極的にトライしていきます〜。