土で作る楽しみ 
    平成19年11月の作品   



H19年 11月11日                          

   アトリエ作りの最中はあわただしくて、集中して取り組めなかったり、道具を広げる場所がなかなか確保できなかったりして、 
  作品作りは停滞していました。やっとアトリエが完成して、いろいろな片づけが済んだので、ここぞとばかりに一気に鉢物を作って
  みました。馴染みのご近所の小料理屋さんとの話の中で、刺身を盛る鉢は鉢の胴や腰の部分がすっと真っ直ぐに立ち上がった
  黒の鉢がぴったりなんだが、…という話になり、それならばひとつ作ってみようということで取り掛かりました。
   確かに、刺身が鉢の中にすっぽりと納まり、包まれた感じにっなってしまうのでは、刺身の切り口のきれいさが見えなくなり、
  盛り付けで豪華に見せる演出もしにくいと思える。料理を作っている方ならではの見方であり、考えさせられました。


赤鉄砂土:信楽赤土=1:1 漆黒釉をかけた後、口辺を中心に天然木灰を吹きがけ。木灰が溶けて表面は光沢が出ています。大きさも十分で盛り付けが映えそうです。径21.4 高4.2 土、釉薬は左に同じ。角度はいい感じです。高台は外側の口辺から腰までの流れの角度を生かして、外削りはせず高台の内側だけを削っています。径20.0 高5.2 土、釉薬は左に同じ。口辺は少し広がり気味ですが、この感じも悪くはないかな?釉薬も渋くかかっています。径19.5 高5.1
赤鉄砂土:信楽赤土=1:1 漆黒釉のみ。マット調になっています。ろくろ目がきれいに出ました。横からの眺めもきれいです。径18.8 高4.7 土、釉薬は左に同じ。上の鉢と同じく高台の外側は削ってないもの。多少重く感じるが持つ器ではないので、この程度でも大丈夫でしょう。径17.5 高5.3 土、釉薬は左に同じ。かなり平たいもの。何だか歪んで見えますが、実際はそうでもないんだが…。もう少し角度をつけた方が刺身盛鉢にはいいかな?
古信楽荒目土 黄瀬戸釉:飯碗 はぜ石が目立ちすぎないように黄瀬戸釉をかけました。予想通り落ち着いた雰囲気になりました。釉の流れもまあまあです。径12.7 高7.0  古信楽荒目土で成形した後、はぜ石の飛び出しを和らげるために白化粧土をかけ、藁灰白萩釉で仕上げました。こういう片口にドレッシングなど入れるといい雰囲気になるかと思います。径:長13.4短11.2 高6.7 ぐい呑み 赤鉄砂土:信楽赤土=1:1 藁灰白萩釉 わざと歪ませてあります。釉が垂れて溜まっている部分は白くなり、釉薬の流れを見ながら酒を呑む楽しみがあります。


 時間も余裕もない中でも、それなりに作品にまとめることができました。黒の刺身盛鉢作りは、そこそこうまくできたかなと思います。やはり、作ってみたい!という気持ちになることが大切ですね。ただ、釉薬の垂れやにじみなどの変化の面白さは追求できなかったので、次回は釉薬の変化を出して、かなり渋く仕上げてみたいと思います。
 今回、作品数は少なくなりました。皿・鉢ものは窯に詰めるとき、場所を多くとるので量はかなり少なくなってしまいます。実は今回の本焼き作品以外にも、古信楽荒目土の飯碗や、釉薬見本としてのタイルなどが素焼き状態で待っているので、もう少し成形して作り貯め、早めに本焼きできるようにしていきたいと思います。
  今後も積極的にトライしていきます〜。




H19.11.23
 なんと11月2回目の本焼きです。土が乾かないので窯で強制乾燥して何とかできました。刺身盛鉢シリーズはサイズを一回り大きくして作ってみました。木灰のしずくが垂れた跡が残るなど、少し渋く出来上がりました。化粧土の湯呑み類も安定した出来でした。

赤鉄砂土:信楽赤土=1:1 漆黒釉をかけた後、口辺を中心に天然木灰を吹きがけ。径26.3 高6.4 なかなかの迫力です。 土、釉薬は左に同じ。今回の焼成は飯碗を除いて全てこの土。中央部の窪みが大き過ぎるが、その分、ユニークな盛り付け方もできるかも…。径23.5 高5.8 釉薬は左に同じ。中央部は平坦。重量バランスがよく、手取りがよい。木灰のしずくが垂れた部分が少し茶色くなって渋くなっています。径23.2 高4.1
生土に化粧土をかけ、素焼き後にも化粧土をかけた2重かけ。以前作ったものが2合入らなかったので、少し大きめにしました。長径14.0 短径11.7 高9.2 2重かけの湯呑み。いい雰囲気になっています。透明釉は木灰透明釉を使用。渋い感じが出るので好きな釉薬です。どれもほぼ同じ大きさ。径10.3 高7.0 同じく2重かけの湯呑み。高台は普通の湯飲みの形。素朴だけど安定性も手取りもよい。径9.4 高6.8
同じく2重かけの小振りの湯呑み。高台は広がり気味。胴の部分に起伏のラインを入れた。径7.7 高6.2 たたらを指でたくさん押して凹みをつけ、化粧土がけ。かけてない部分には緑ガラス釉を垂らした。長27.0 古信楽荒目土、白天目釉の飯碗。はぜ石が出すぎなので、サラダなどを盛る鉢にした方がいいだろう。古信楽荒目土は使いにくい。径14.7 高7.1
白天目釉。歪み片口盛鉢。素焼き時にはかなり歪んでいたが、本焼きで相当元に戻ってしまった。意外と歪ませるのは難しい。径17.0 高5.3〜5.7