土で作る楽しみ 
    平成19年12月の作品   




   
   H19年 12月9日                          画像にカーソルを置くと別画像になります。
  
    今回は、グレー御影土に化粧土がけの作品がメインです。個人的に、グレー御影土は、実は不思議な趣を持った土で
   ファンシーな雑貨屋さんなどで花柄模様で装飾されていたかと思うと、とても渋い器にも使われていたりと多彩に思えます。
   つまり、やり方によっては甘く幼い趣になる反面、うまくすれば渋さも出せるということです。本当は相当苦手な土なのですが
   頑張っていろいろ成形してみました。さあて、印象はどんなもんでしょうか? 
   その他に、ガラス釉やトルコ釉などもまあまあの出来でした。平成17年3月に成形、釉薬までかけてほったらかしにしていた
   パスタ皿を焼きましたが、意外にいい出来でした。ただし、底厚で成形はいまいちです。
   今回はどれがお気に入りでしょうか?
  
 
長皿:グレー御影土 黒化粧土みご塗り、白化粧土かけ、素焼き後素焼き化粧土かけ、緑ガラス釉垂らし、木灰透明釉かけ:ギター弦でスライスしたたたらで成形。黒化粧土が若干でしゃばりすぎだが3枚とも反らずにきれいに焼けた。長いので秋刀魚もOKです。長径35.0 短径7.9 鉢:グレー御影土で成形、素焼き後表面を研磨してフラットに。外側は白化粧土を乳鉢で丹念に擦ってイッチンの線描きしたあと木灰透明釉かけ。内側はタルク白マットを薄く吹きがけ。イッチン模様はスパイラル状になってます。とてもかわいくてグレー御影土ならではの作品となりました。径13.3 高6.8 酒器セット:グレー御影土、生土化粧土と素焼き化粧土との二重かけ。仕上げは木灰透明釉。小振りの注ぎ器だけど、大酒を呑まない人には丁度いいサイズ。注ぎ器の形に合わせて、猪口も同形にしたので、とてもかわいくなった。面白半分だったがいけるのではないかな?注ぎ器長径12.5 短径8.9 高7.8

酒器セット:グレー御影土、生土化粧土と素焼き化粧土との二重かけ。仕上げは木灰透明釉。酒がたっぷり入るようにくちばしはあまり下げていません。注ぎ器の凹が手にぴったりフィットして、感触はいい。注ぎ器長径13.2 短径10.2 高8.6  飯碗に湯呑み2種:土、釉薬は前述に同じ。白っぽいので飯碗には不向きかも。味が滲みたおかずを盛った方が良いだろう。反対に湯呑みは雰囲気がいいが、やはりグレー御影土ならではの硬さはある。飯碗 径14.0 高7.0 湯呑み中央 径8.4 高7.7 湯呑み右 径9.0 高6.2 珈琲カップセット:土、釉薬は前述に同じ。シンプルな形でバランスよく仕上がったが、カップのもち手にひびが入った。残念。日常の使用には差し支えないがまた不良品倉行きになってしまった。皿の方はまあOKですが…。カップ径8.6 高7.4 皿径12.5〜13.4

小皿:上3枚は信楽赤土 下左は赤鉄砂土 下右はグレー御影土 生土化粧土 古代呉須絵付け 木灰透明釉かけ。デザインのテーマは「流水」。流れる水のイメージでデザイン。水が渦巻いている部分を強調。果たしてそのように見えるかどうか?家人には好評の皿となりました。大きい方は径9.5 小さい方は径6.9 フリーカップに小皿:古信楽荒目土、青ガラス釉。古信楽荒目土の飛び出すはぜ石をいかに生かすか?考えた末はガラス釉。ガラス釉ならはぜ石のわがままを生かしてくれるのではと言う考えで施釉。確かにいい感じにはなった。しかし、若干釉薬のかかりが薄い。ガラス釉はどうしても薄くなりがち。今後注意します。左上:径11.0 高6.8 右上:径8.7 高7.0 皿2枚:径10,0 湯呑みに中皿:信楽赤土+御影+はぜ石の混成土、禾目トルコ結晶釉。すごく神秘的な緑色。ターコイズブルーという感じではないが、ついつい見とれてしまう感じ。皿よりも湯呑みの出来がとてもよかった。はぜ石が溶けて結晶釉の上に飛び出している。素晴らしい!この手のものをまた作ってみたい。湯呑み径8.7 高6.6 皿径17.9 高4.0


御影土は難しいですね。その分、取り組み甲斐はありますが…。ほぼ、予想通りの焼成となりました。化粧土かけは無難ですが、もう一つ奥深さの趣には欠けています。まだまだ考える余地はありそうです。古代呉須の絵付け皿は予想外に人気があり、絵柄による印象は大きいなあと感じました。さらに洗練されたデザインを考えてみたいと思います。嫌だった古信楽荒目土もガラス釉で何とか挽回して、まとめました。まあOKです。
 師走、忙しい時期ですが、さらに工夫して制作していきたいと思います。

 
パスタ皿:赤鉄砂土、口辺内側は黄化粧土、古代呉須と陶赤絵具で彩色、透明マット釉。予想以上にきれいに仕上がった。赤鉄砂土上の黄化粧土は黄というよりアイボリーだ。絵柄も沈み込まず雰囲気よく仕上がった。ただ、成形は昔の作品のためいまいちだった。径25.0 高3.0