土で作る楽しみ 
     平成25年8月の作品     




   平成25年 8月8日 


1 鼎:信楽白土と赤土の混合、窪みに酸化第二鉄刷毛塗り、青銅マット釉:還元焼成で青銅色は薄くなり斑になって良い雰囲気になるだろうと予想していましたが、予想に反して還元の影響があまり及ばず、完全に青銅色でした。もともと鼎は青銅製なのでイメージとしては全然悪くないと納得はできています。径12.8 高16.2(上部持ち手も含む)
 前回2月の焼成には半年近く掛かってしまっていましたが、今回も丁度半年掛かってしまいました。鼎の成形でかなり時間が掛かったり、自作釉薬の作成に迷いがあったり、そしていろいろ忙しかったりといろいろなことが重なっていました。ようやく本焼きできて安心しました。今回も還元焼成で、1220度からガスを注入し、1100度まで継続の「還元落とし」の方法です。
 鼎の焼き上がりは思いとは少し違う印象ですが、割れずに、そして変形せずに焼けてよかったです。削りには時間が掛かりますし、削りに丁度良い粘土の水分の維持のためにいつも気を遣っていました。
 自作釉薬はほぼ予定通りの焼き上がりとなりました。化粧土との相性がよいようです。化粧土の上に濁って広がる感じが、狙っていたものより良い出来でした。また化粧土が掛からない状態で、素地土に薄く掛かると、予想より茶色く濃く発色していました。
 鉢物は全面掛けですが、黄瀬戸のような色合いで、きれいに焼き上がり、これはとても良い出来でした。全面掛けで渋く焼きあがるのはとても嬉しいです。
 全て渋い感じになりましたが、今回はどれがお気に入り? 

2 酒注ぎ器:信楽白土に赤鉄砂土混合、はぜ石混ぜ、以下は全て自作釉薬:釉が重なった所はグレーに発色していて、釉の流れが楽しめます。一人呑みに最適ですね。注ぎ器 径8.0 高11.0 ぐい呑み 径6.5程度 高2.6 3 小鉢:変形し窪んでいる部分に明日香釉を少し載せました。釉の上にさらに釉を載せると、上の釉がめくれるので、下の釉は少し削り落としてから塗ります。渋くてお気に入りです。径8.0程度 高5.0 4 ぐい呑み:化粧土なしの全面流し掛け:釉の濃さによって色が変わり、生き生きとした印象になりました。小品ですが楽しめます。径7.0程度 高3.6

5 中鉢:化粧土なしの全面吹き掛け:黄色くなり過ぎずまた茶色くなり過ぎず、丁度よい色合いになりました。蕎麦鉢としても使えそうです。径18.6 高5.4 6 中鉢:左に同じ:ガスの炎の通り道だった所は少し焦げ茶色になっています。全面にきれいに釉が乗りました。径17.2  高5.8 7 片口中鉢:釉が垂れるのを期待して、内側は釉を少し多めに吹き掛けしておきました。予想通り少し垂れて、轆轤目に引っかかっているのがよい感じです。径14.8 高4.8

8 酒器セット:ごつごつした感じに仕上げました。ごつごつしながらも均等な厚さで軽く成形するのが大変でした。成形に時間が掛かっています。ぐい呑みは注ぎ器の口に合わせて、丸みを帯びています。注ぎ器 径8.5 高11.2 ぐい呑み 径6.7 高4.8 9 飯碗3個:内側はかなり良い焼き上がりです。外側は釉が掛かっていない部分を作りましたが、作為的になってしまいました。全面流し掛けがベストなようです。径13.5〜11.7 高4.8〜5.7 10 ぐい呑みなど:赤土に全面流し掛け:やはり色は濃くなっています。たっぷり掛かっている部分は濁りが出てよい印象です。たっぷり掛けを心がけます。

11 ぐい呑み:器全体に釉がきれいに掛かっています。白い部分は実際はもっと黄色い発色で、渋さが出ています。内側の釉の溜まりが少し緑色になっていて還元の影響がよく出ています。径7.7 高3.7 12 中鉢やぐい呑みなど:どれも軽くて手に馴染みます。手前左から2個目のぐい呑みなどは、変な形の成形ですが、焼き上がりは結構見ていて楽しいものになっています。 13 極小四角皿:面白半分で作ってみました。箸置きとのぞきの兼用で使えるかな?本焼きすると予想以上に縮んでいました。辺6.5

14 箸置き:自作印花で模様を付け、生乾き時に中央を削り取ったもの。気軽に作れる箸置きで試すことも多々有りです。長6.0 

 

     自作釉薬は、長石6:土灰4に藁灰を外割で1割、酸化第二鉄を2%入れたものです。
     きれいによく溶けていて、しかも濁った雰囲気も少し出ていて安心しました。
     次回はもう少しだけ藁灰を増やし、化粧土はなるべく全面掛けにして、少し厚めに施釉したらどうかなと思っています。
     ただ、イベントでぐい呑みを100個作らないといけない雰囲気になってきたので
     先ずはそちらが優先の作業となりそうです。
     
     鼎の試作はまあまあの出来でしたので、もう少し渋い形で成形しようと思います。
     模様の獣面ももう少し研究する必要があります。釉薬も考えないといけません。

     それにしても毎日暑いです。
     100個の成形、焼成に向けて少し頑張らないと…。
     そして渋さへの探求も休みなしですね。集中できなくても、少しずつ頑張っていきたいと思います。