平成27年11月の作品
平成27年 11月3日
飯碗:信楽白土赤土、赤鉄砂土も混ぜた土、はぜ石混ぜ:生土に白化粧土を部分掛けしておきました。釉抜きの効果がよく出ていて、垂れて流れている部分も楽しめます。かなり厚めに釉薬を掛けたつもりですが、見込みの釉薬は薄くなっています。径12.7 高5.8
何かと用事があり、集中して作品作りができない毎日です。今回は子供たちの制作作品を焼かないといけないという追い込まれた状況だったので、慌てて釉薬掛けをして本焼きをしました。釉薬は明日香釉。以前、還元で焼いたことが何度かある釉薬ですが、今回は子供の作品の化粧土の発色を良くするために、酸化焼成を選択しました。
明日香釉は還元で焼くと青い色合いになり趣がありますが、酸化では緑が強くなる釉薬です。全面に掛けるのを基本にしましたが、余りにも変化が少ないとベタな感じになるのではと心配して、部分的に撥水剤をさっと筆描きしておきました。撥水剤で釉薬の流れに変化が生まれ、釉薬の動きも見て楽しめるようにと考えました。
結果として、やはり緑が強く、胎土に緑濁りした釉薬が張り付き、表面の透明な部分との絡み具合が面白くなりました。釉抜きした部分の回りは、釉薬が溜まっていたり、溜まった後に流れたりと、かなり楽しめるものとなりました。ただし、この色と渋さは好みが分かれるところだと思えます。
明日香釉の作品のほかには、豆皿をたくさん作りました。ちょっとした贈り物にも最適で、かなり喜ばれます。呉須の絵付けは相当面倒ですが、出来上がると嬉しいものです。
1
皿:口辺を平らにしたデザイン皿。平らな部分から中に落ち込む部分で釉抜きをして変化を出しました。釉薬が溜まった所には白い結晶のようなものが見えます。径16.3 高4.8
2
鉢:側面には櫛目を入れておいたのが正解でした。櫛目の凹みに釉薬が溜まり、よい雰囲気になりました。釉薬がしっかり溶けているのが嬉しいです。径16.5 高7.2
3 鉢:飯碗にも使えそうです。化粧土を部分掛けしたことで、胎土の色の変化も楽しめます。やはり周到な準備が大事ですね。径14.5 高5.4
4 小鉢:渋い色合いですがサイズも小さくてかわいい雰囲気になりました。径12.8 高4.3
5 中皿:表面にはぜ石が割合多く出ています。赤鉄砂土の鉄粒も黒くなって見えます。径17.5 高3.0
6 豆皿:信楽白土と赤土を混成。白化粧土が掛かっています。古代呉須での青海波の絵付け。数をこなしました。径8.0
6のアップ:絵付けでは、線の太さが同じなるように気を付けました。呉須の濃さも同じになるように注意しました。
7 豆皿:少し違った絵柄にもトライ。絵柄の比率などが合わなくなってくるので曲面に描いていくのはなかなか難しい。
8 豆皿:九隆庵に遊びに来た人が描いたもの。自由なデザインがなかなか面白い。
明日香釉薬の酸化焼成はやはり渋いですね。どちらかと言えば還元の色の方が好きですが、こういうのもありですね。いろいろ工夫したいことはありますが、成形にも釉薬掛けにも焼成にも時間が必要。そして精神的なゆとりが絶対必要。今回の焼成は慌ててしてしまいましたが、できればじっくりと取り組みたいですね。
豆皿がたくさんできたので、ちょっと安心。結構なくなっていくのです。
次回の焼成は還元で攻めてみたいですね。さらに渋く焼き上げたいと思います。
今回はどれがお気に入り?