土で作る楽しみ 
     令和6年10月の作品   




   令和6年 10月21日 

前回の焼成で失敗したエスプレッソカップを焼き直しましたがやはりダメでした。ブクの部分をサンドドリルで削り、釉薬ボンドを混ぜた禾目トルコ結晶釉を塗りましたがブクの部分は直りませんでした。しばらく残念な気持ちを引きずっていましたが、気を取り直して新たに成形、本焼きをしました。今回は織部を一部に使うので酸化焼成です。これまで豆をイメージした皿をいろいろ作っていますが、今回は長豆に豆が5個並んでいるという長皿。豆の部分は陶画糊で釉抜きしたのですがその後、失透黄マット釉を乗せると見事に弾いて均一になりません。仕方なく凸凹ですがそのテクスチャーもまあいいかなと割り切って焼き上げました。結果は意外に良好で安心しました。金彩マットと志野釉のコラボの四角小皿は予想通り渋い出来となりました。三つ足の器は窯出しのときに棚板に支柱がくっついていて、それが分かったのでそっと持ち上げたのですが、途中で落下。2個割ってしまいました。生き残ったものも脚の付け根に化粧土のひびがあるので、頑張った割にはよい結果に結び付きませんでした。青海波の皿は丁寧に丁寧を重ねて造ったのでかなり満足できるきれいな出来でした。
 

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長豆の皿 長30.0 短6.8 豆の部分は失透黄マット釉。周りは緑ガラス釉。失透黄マット釉が少しもこもこしていますが逆によい印象です。 6枚製作 緑ガラス釉は筆塗りで均一ではないのですが、濃い所とそうでない所の動きがなかなか楽しめます。 四角小皿 辺8.5 白天目釉 釉抜きで胎土が見えています。 白過ぎない白天目の色に風情があります。

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四角小皿 辺8.7 金彩マット釉の四角の周りに白志野塗り。表面には布目が入っています。半乾きのときに割折り、割れ口のテクスチャーを活かしたもの。 6枚製作 布目に浸み込んだ金彩が渋く光っていてなかなか厳かな感じです。予想通りの出来となりました。 高台杯 青銅マット釉 高8.7 径6.3 ややもすると古くさい印象になりがちな青銅マット釉ですが、やや奇抜な形に成形すると高貴な印象になります。

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三つ足の杯 径7.2 高5.5 生土に白化粧土薄掛け 織部釉と緋色釉を配して変化を付け、木灰透明釉薄掛け。自然な風合いを楽しめます。 他の2作 脚の付け根の部分は本体との収縮の度合いが合わないので、化粧土はどうしてもひび割れがちになります。難しい所です。 三つ足の杯の青い物 径6.3 高6.0 3個作りましたが支柱の落下で1個だけ生き残りました。もう少し濃い色にしたかったのですがうまくいかなかった。

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青海波の小皿 径9.7 生土白化粧土掛け 古代呉須 丁寧に丁寧に書き込んでいったので仕上がりはきれいです。 9枚製作 還元焼成の方が渋く焼きあがるので好きですが、酸化焼成での透明釉の仕上がりもまたきれいです。 湯呑 錆釉 径9.8 高6.2 安定した溶け具合と発色の錆釉は扱いやすい釉薬です。

長小皿 長17.2 白化粧土薄掛け 黒化粧土刷毛目 黒をもっと黒くするには石灰透明釉がよいかも(今回は皆、木灰透明釉) 長小皿 長18.5 16.5 窪みに青ガラス釉 他の部分は緑ガラス釉 青ガラス釉の発色が弱くマット調です。釉が流れて底に貼り付きがあります。 


金彩の皿はよい出来で、心配した長皿の出来もまあまあよかったのでそれなりに満足感はあります。支柱を落として割ったものがあるなどやはりアクシデントはつきものです。細い脚を付ける器はやはり失敗が多いです。失敗が多いことを前提に心構えして作ればまあ何とか乗り切れそうですがメンタル的にはきついですね。
同時に色々な釉薬を駆使して焼き上げるのは楽しいですが、時間は相当掛かります。
次回は還元焼成にするかもしれませんが、イメージ作りは今から開始です。