平成18年7月7日
簡単とは言えないが、和紙と針金や細木があれば、それなりの雰囲気がでます〜。
雑貨屋さんやショールームで目に付くのが「あかりのデザイン」。いい雰囲気してるなあ…と、眺めてはいるものの、値段はかなり高いので、買おうという気持ちにはなかなかならない。自分で作った方が味わいが出ていいかも…ということで、材料を揃えて製作を実行しました。全体のデザイン、枠組みの材質、和紙の選定、貼り方の工夫など考えることはありましたが、何とか完成に至りました。反省点も踏まえながら経過をまとめておきます。
前から見たところ
後ろから見たところ
1 材料や道具をそろえよう。
材料…とりあえず予想されるものを集めました。
・和紙
・糊(でんぷんのり)
・ボンド
・風船 ・たこひも
・木綿糸
・竹の簾(ばらして使う)
・竹の棒(薄切り) ・丸棒(径5ミリ)
・針金 ・電源コード ・電球40W球 ・ソケット ・差込プラグ ・中間スイッチ
道具…針金細工や電気の配線のため
・はんだごて ・はんだ ・ラジオペンチ ・ニッパー ・ドライバー ・はさみ ・筆 ・ボンドを溶く皿
*緑字が今回使用したもの。風船は球体を作る時に使う予定。竹の棒類は九隆庵女将が製作で使用したもの(女将の作品はページの最後に載せてあります) 電源コードは使用する電球のワット数に耐える容量のものを使います。
和紙は選ぶのが難しい。見た目で選ぶと、実際に電球を付けて透かして見たときの印象は相当違います。薄すぎても、厚すぎてもだめ。薄いと電球の形が見えすぎますし、厚いと暗くなります。
2 デザインを考え、枠を組み立てよう。
製作に当たって先ずは、デザインを決めます。デザインによって構造を針金にするか、竹などの棒にするか分かれるかと思います。曲線が多く、和紙のつなぎ目の面白さを生かしたいので針金を採用しました。
全体のおおよその骨格を作ります。土台の部分は強度を出すためにしっかりと針金を絡ませてからはんだを載せます。全体を丸い形にするためには、和紙の平面をいかに組み合わせて曲面を作るかという考え方が必要です。
曲面を意識しながら骨格を作り、さらに部分的に面白さを出すための造作をします。骨格はできているので、適当に針金をはんだでくっつけ、逆に不必要になった骨格の構造を、ニッパーで切り落とすということもできます。
3 和紙を地道に貼ります。
和紙は一旦揉んで柔らかくしたあと、広げて伸ばしておきます。
針金にボンドを筆で塗り、ほぼ針金の1区画に合う大きさに切った和紙を順に貼り付けていきます。
針金上で和紙が重なる部分は、糊代の部分を数ミリ残し、切り取ります。曲線部分では特に丁寧に。
貼り終わるとこのような感じです。開いている部分がありますが、電球が直接見えない場所に設定してあります。
4 電気系統の配線をして 土台を作り完成です。
コードの接続部分は2股に割りそれぞれをねじりこむ→ねじを挟み、さらに2本をねじる→はんだで固める→余分な部分を切るという手順です。
差し込みプラグ−コード−中間スイッチ−コード−ソケットの様子です。中間スイッチは、あかりの50センチぐらい傍に設けると便利です。
電球をつけてみて、いい雰囲気になる電球の位置を確認します。電球を少し上に置くには土台を高くしないといけません。さらに電球がシェードに触れないように(火事の予防)シェードの枠に合わせて土台を作らないといけません。
5 丸棒と薄切り竹でできたあかり
丸棒を5本束ねて上部でくくり、側面には薄切り竹を輪状に回し木綿糸で固定しました。和紙を頂点と底辺で作る5枚の三角形に切り、貼り付け、はみ出た部分は切り取りました。シンプルですが雰囲気はなかなかのものです。和紙はガラス繊維入りの1枚500円の物を使っています。キラキラとしたあでやかさがあります。上部の針金のくくりは、園芸用の黒のしゅろ縄で巻き込み、完全に見えなくなっています。白と黒のコントラストがいい感じですので、丸棒も黒で着色した方がいいかもという意見もあり…。
6 考えるべきこと。
1 針金は多少硬いので、真鍮のものを使ってもよい。
2 はんだは、ヤニ入りはんだを使ったが、白い和紙などでは汚れがしみてくるので、ヤニなし+フラックスの組み合わせで使うとよい。
3 和紙は安いものでも雰囲気は出るが、薄すぎないように気をつけよう。電球に透かして見たイメージを浮かべて購入しよう。
4 和紙貼りのつなぎ目をきれいに仕上げないと、電球のあかりが全て暴露してしまうかも…。
5 ボンドは塗りにくい場合、水で少しだけ薄めて使うとよい。紙の重ね合わせの部分にたくさんつけすぎないこと。
6 安全面の対策は十分にとらないといけない。電球の熱を逃がす工夫、シェードが電球に触れない工夫は絶対に必要。
参考文献 「あかりのレシピ」 橋田 裕司 著 マール社
2001年第1刷発行 2002年 第4刷発行 1600円(税別)
そこそこうまくはできたけど、「これなら売れるかも?…」という程度の娘の反応。
風船で作るものや、もう少し小さいものも作ってみたい。
和紙を貼るのは時間がかかって面倒くさいが、とても集中できるのがいいですね〜。