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  平成13年10月の話題   


 1 しば栗を拾った
 

栗拾いといっても観光農園ではなく、国見岳という山の山頂で遊びながら拾いました。写真のような小さい栗が沢山採れました。ウサギの糞もあって糞を踏まないようにして拾うのが大変。(ウサギの食料を少しイタダキ)棒でいがを払いながらいがの下に隠れているのを探しましたが、時期が遅いので虫食いがいっぱいでした。しかしこの小さい栗は甘くておいしいのです。せせこましく焼いて食べることにしました。焼く時はニッパーで外皮に傷を入れておきます。こうしないと爆発して大変です。

  
                                 
 
 2 栗拾いにまつわる不思議な話

7.8年前に栗拾いに1人で行った時の話。目指す山は戌山(いぬやま)という名の小さな山。町の西側にあるが山の下には国道も通っているのですぐに登れる山である。小さい頃はこの山の麓に栗の木が群生していたのでよく拾いに行った。昔のことを思い出してもう一度登ってみようというわけであった。山に入ると昔とは随分雰囲気が違っていて、何だかうっそうとした感じ。栗の木は全然ない。しばらく歩くと胡桃の木があった。「おお、そう言えば胡桃を拾って、周りの皮を足で踏んで取ったりしていたなあ。」と大きくなった木を見上げて思い出していると、その側に山のおじさんが座っているのに気づいた。山のおじさんというのは山で仕事をする格好をしていたからである。山のおじさんは「山登るんか?」と聞いてきたので、栗拾いをしに来たことを言うと、「あかんなあ。切れもん持ってえんやろ。」と自分の腰につけていた鎌のような物を見せた。「山に入る時は切れもん持ってえんとあかんぞ。何があるか分からんぞ。」とさらに念を押した。そうだなあ。そう言えばそうだなあ。素人考えで登るのはいかんなあと反省しながら、そして少し怖いながら話をした。その後「何や。この上登るんか?」と聞くので、少しは栗を拾いたかったので登ってみると答えると、「まあ、登ってもいいけど、何か変やぞ。おんちゃんも時々登るんやが、足がのう、滑るんやわ。そしてな、何かふわふわとしてな、いつ行っても気持ち悪うなって帰ってくるんや。」とこう言う訳。

裏切りは朝倉景鏡だということが分かった。
9月8日に撮影をしに行った。後ろの白くかすんでいるのが戌山。登る気はしない。

何だか話が最初から変な感じで、ここまで来るともう不気味で不気味で仕方がない。さらにこう言うのである。「この山はあんまり詳しいことは知らんが、朝倉義景の城があったらしいの。かわいそうに身内に裏切られて死んだそうやな。かわいそうなもんやわ。」と。ああ、なんという不気味さ。朝倉義景は確かに一乗谷から追われ大野の戌山に砦を作って潜んでいたとの話は聞いていた。しかし、聞いていただけでそこに何か怨恨や怨念みたいなものがあるとは深く考えなかった。この山のおじさんは只者ではないという感じがしてきた。とてもとても怖くなったが、逆にこの話が本当なら自分の足で確かめてみたいという気になった。無謀であるがこんなことで引き下がっては男がすたる。ついに意を決しておじさんにお礼を言って登り始めた。初めは何でもなかった。「何だ。ガセネタか?怖がらせてからもう…。」と快調に登っていったが、途中から斜面が徐々に急になって登りにくくなってきた。単に急というのではなく、石ころがざらざらと崩れて登り難いのである。「まあな。こんな道なら登りにくいわな。」とさらに自分を励まして登るのだが、さらに登りにくくなり、木の枝や、葉っぱが降り積もった感じの上を歩くのでふわふわしてきた。途中少し平らなところまで何とかよじ登ってそこで辺りを見回すと、何とも気持ちが悪い。頂上まであと少しという所であるがついに怖くなって超特急で滑って降りた。麓ではおじさんはもういなかったが、辺りの明るさや車の音を聞いてほっと安心した。結局栗はまともに拾えなかった。しかし、とてもとても不思議な体験をして一生忘れられないこととなった。
栗拾いをすると思い出す話である。 

   


 
 3 白山スーパー林道に行きましたが……

10月14日に白山スーパー林道に行ってきました。霊峰白山の北側、石川県から岐阜県にまたがる林道です。多少早いかなと思いながらも、標高が高いのできっと見ごろではと、紅葉を見に行きました。白峰から一里野へ、中宮温泉を通り、先ずは「ふくべの大滝」へ。さらに標高1450mの三方岩駐車場へ。ぴったりちょうど見ごろでした。これだけの紅葉はなかなか見られないという感じです。来週でもまだOKでしょうがそれ以降となると多少色が悪くなるかな?それにしても三方岩駐車場の横で、焼肉を焼いて食べ、大酒を飲んでいた一団があったが、国立公園の中でこういうのもねえ。下界のことを忘れに来たのに何だかあたり一面焼肉の匂いでは興醒めでした。その後白川郷の合掌造りの集落に行きました。ちょうど村の祭りの日で、お神楽や昔の祭り衣装などいろいろ見ることができて、こちらの方は有意義でした。

頂上付近は赤い感じ。下に行くにつれて黄色という感じ。
                                                              白山スーパー林道HP