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   平成19年6月の話題   



6月19日(火) アトリエ建設中!

 作陶や木工をするときは、散らかっているリビングを片付け、そして道具出し。制作がひと段落したら今度は全部片付け…という不便な状態です。サイトを訪れる方は、「九隆庵」というアトリエがあるのだろう…と思っているかもしれませんが、実態は全然違います。さらに窯、粘土、釉薬、ろくろ、陶芸道具に作品、木工道具に木工資材など、いろいろな物が増えて…もうどうにもなりません。そこで、作業場を作ることにしたのですが、設計士さんと相談し始めたのが、2年前の17年5月。やっと今年の5月に着工となり、コンセプト作りだけで2年間もかかってしまいました。予算、構造計算、利便性、水周り、方角の吉凶などいろいろ考えていくなかで、基本設計の変更は何度もあり、最初のプランとは相当違っていますが、その分シンプルながら満足のいくものになりそうな感じです。完成予定は7月末。梅雨で雨が降り始めるまでには屋根は葺き終えられそうです。

べた基礎で鉄筋は上下2段構造。この鉄筋の上にセメントが流し込まれました。 床が部分的に貼られはじめました。レーザーの水準器で測定しながら床面を決めていきます。 1階天井と2階床部分は、このように板を縦に並べて強度を出すとともに、1階天井高を確保。

お金がかかるし、そんなことしなくても…と、言われますが、これも「九隆庵」流こだわりでしょうか…。
かかったお金の分は、節約で…と、うまくいくでしょうか?
工房作りを考えている方には参考になるかもしれませんので、建設にかかわるいろいろなノウハウについては
またまとめて載せていきたいと思います。


6月30日(土) 建設模型からみる変遷

 これまでに設計士さんが作った模型は4種。はじめは1階のみでの構想。2個目は2階を追加しましたが、構造的にやや難しいところがありました。3個目は方角などよく検討し、かなり固まったプランとなりました。4作目が完成形。写真ではグレーの屋根が母屋で、手前に付け足した部分が今回の増築部分です。

1作目 2005.6 2作目 2005.9 3作目 2005.12
前面が総ガラス張りで雰囲気はよい。既存部分をほとんど触らない方法。今後のことを考えると2階も必要だということで、造りなおし。 2階建て。2階部分を玄関方向に大きく張り出した形であり、張り出した部分は全体のバランスでささえるという構造。構造計算は通りましたが、いまいち強度が心配なので没になりました。 階段を端の方に持っていき、しかも踊り場が作業台と一体化した形にし、作品などを置けるスペースとしても活用できるようにしました。収納などのため地下部分も設け、立体的な構造になり、面白さはあるが動線はいまいち。階段の位置や母屋との連結部分も含めて再考することになりました。以後、使用する部材など細かな部分での打ち合わせを行い、2006年10月に全体見積計算、2007年3月に請負契約を交わしました。

現在の形 2006.10〜
設計:丸山晴之建築事務所
施工:株式会社 上栄
2階部分には狭いながらもテラスが部屋を囲み、テラスにはスリットを付けてあります。適度な目隠しと落下防止のためです。南側にはスリットの開放部分があり、開放感があります。また、2階の床を支える天井の板が見えるようにし、ここでも開放感を得ています。窯を置く場所は床の強度を高めています。

 梅雨で天気が悪いのですが、一応順調には工事は進んでいます。設計図には表れない細かな部分の
造作について、現場では打ち合わせが行われています。慌ただしい日がまだまだ続きます。