生葉染めを季節外れにしたい方に、こんなのありです。今年やってみる?…
平成16年6月16日〜
H16年 6月16日
平成15年9月に行った藍のレンジでの乾燥葉作り
。あれから随分と日が経ちましたが、やっとこのレンジでの乾燥葉と自然乾燥葉の合体による藍染めの実験をすることとなりました。早くしたかったけど他にもすることがいっぱい。やっとです。で、結果は「大成功\(^o^)/ 」でした。う〜、無理かも?と、思っていたけど、うまくいってとても嬉しい!!では、その内容を紹介しましょう。
1 用意するもの
・藍のレンジで乾燥した葉 30グラム(とりあえず試しにこれだけ。在庫あり…)
・藍の自然乾燥葉 5グラム(これはこれくらいで十分な感じ)
・電熱器・棒温度計・オキシドール・ボウルやざるなどの容器・ゴム手袋・キッチンペーパー
・染める絹の布(羽二重を使いました)
今回の実験は、
川崎充代・牛田 智さんの「いつでもできる藍の生葉染め〜藍の生葉の保存と染色方法」
を参考にしました。濃く染めたかったので、この文献で説明している使用量のおおよそ4倍程度の濃さの抽出液を、今回は作ってみました。
冷蔵庫で保存しておいたレンジ乾燥葉。計量して小分けしておきました。
レンジ乾燥葉の色はかなり悪くなっていますが、緑色が残ってはいます。つまりインジカナーゼが失活しているので、インジカンがインジゴになってないというわけです。
自然乾燥葉は青黒くなっています。インジカナーゼによってインジカンがインジゴに変わっているということです。あらかじめ手でよく揉んで細かくしておきます。
2 レンジ葉を煮出します
700ccの水を沸かしておおよそ90度ぐらいにし、そこにレンジ葉を入れて煮出します。高温で抽出できるのですが100度はまずいかも?温度を保つために電熱器を使い温度計を見ながら火力を調節しながら、液が茶色になるまで煮出します。右はクッキングペーパーで濾しとった様子です。この時点では茶色です。
3
自然乾燥葉を混ぜます
酵素が働くように常温まで冷まします。温度計が役に立ちます。
自然乾燥葉を入れたところです。緊張します。
約1時間、時々かき混ぜながら反応を進めます。
液の色が緑色になってきました。生葉のときよりは色が薄い感じで心配しましたが、絞ってみるとそこそこいい感じの色になってました。染色液ができました。
4 いよいよ染色です
液の色は濁った濃い緑色で、生葉染めの時の緑色に比べると汚く見えますが、染色能力は生葉に負けないくらいでした。25分後の色などは、相当綺麗です。絞り染めとして、ペットボトルのキャップを輪ゴムで留めたのもやってみました。
浸けて5分後です。まだ白っぽい。相当心配しました。
15分後です。かなりいい色になってきました。ほっとしました。
25分後、完全に着色しています。うれしい!!
さらに、水1リットルにオキシドール10ccを入れて酸化を促しました。さらに、色が冴えます。よく水洗いして乾かし完成です。
5 なんとか完了!予想以上にいいできです
染色液を濃くして試してみたのが幸いしたようです。また、レンジでチンの保存も一気にインジカナーゼを失活させていることが分かりました。逆に自然乾燥葉には、インジカナーゼがしっかり残っていることも分かりました。この方法だと、本気を出せば「いつでも藍を〜」が完全に実行できますね。藍がたくさん収穫できたときはお勧めです。今年やってみます?
九隆庵は今度はシンプルな冷凍保存で挑戦してみます。
怖かった実験。でもうまくいってよかった。9ヶ月経ってもインジカンやインジカナーゼの働きは生きていた。何事も緻密にやることも大切ですね。勉強、勉強!!