創作事情覚え 
  
    令和4年12月〜
                                                       

  
 創作の状況を見返すことは作品作りにとって大切な行動の一つです。これまでは時折、その様子をブログに載せましたが、ブログでは見返すことの操作性がいまいち。そこで、創作状況のページを設けて簡単に見返せるようにし、制作にまつわる工夫、問題点などをまとめていくことにしました。

 
 

12月4日(日) 作品の素焼き開始

昨年末に窯出ししてから1年が経ってしまいました。1年間もお休みしているなんてぐうたらかと思われますが人生は長いものです。慌てずじっくりと取り組んでいくのが自分流だと思っています。11月に入ってからは少しずつ成形して、やっと素焼きができるまで作り貯めました。成形作品の数は窯にぴったり収まる量で、あと1個でも多かったら入らないという状況で、毎度勘が冴えています。今回の焼成のメインは油滴釉です。これまで一度も試したことがない釉薬です。どちらかというと古趣味な印象で避けてきた感がありますが、今回油滴の茶碗の実物を見て触発され制作意欲が湧きました。しかし油滴は結晶釉でありなかなか思うようにできないというのが実状だと思えるので、できなくて元々というスタンスで臨みます。器の形は天目型を意識して作りました。窯詰めをして素焼き焼成開始。800度まで上げます。素焼きを終えたら釉掛けとなります。鉄分の泡が釉の外に出ないように釉は厚めにし、結晶化を促すために冷却はかなり時間を掛ける予定です。コンピューター制御の焼成なのでまず焼成曲線を考え、入力する予定です。


12月7日(水) 焼成曲線作成 釉薬掛け そして本焼き開始 ガスバーナーの修理

年内に本焼きを完了しておきたかったので少し慌てて取り組みました。まずは結晶釉のための焼成曲線の作成。いつもより高めの1240℃を最高温度とし、1150℃で2時間練らします。冷却は還元で行い1240℃を切ってから1150℃を切るまでの4時間を弱還元のガス注入です。釉薬は油滴釉、禾目トルコ結晶釉、青海波釉、木灰透明釉の4パターンで掛けました。窯詰めはギリギリ入りました。夕方19時に焼成を開始。1240℃になるのは明日朝の8時。9時から還元開始の予定。さてどうなるかはやってみないと分かりません。時々雷が鳴っているので落雷で停電にならないことを願っています。ガス注入のためのホースが劣化して折れやすくなっているので、柔らかい部分まで切り戻して取り付け直し、ボンドで固めて乾かしておきました。上手くいくとよいのですが。


12月8日(木) 不安的中 ガスバーナーのホース折れ 自然冷却中

9時からガス注入のためボンベをセットしようとしたら、昨日直したのとは反対のボンベ側のホースが折れてしまいました。完全に経年劣化で危険なため修理はせずに今回のガス注入は諦めました。残念です。還元の渋い焼き上がりが好きですが、もともと油滴釉、禾目トルコ結晶釉、青海波釉のどれもが酸化焼成が勧められているので、今回は酸化焼成での発色を試すことに方針を変えました。窯も電熱線の保護のためには酸化焼成での酸化被膜付けも必要なので、まあよい機会と考えます。ホースは早速全面修理に取り掛かります。焼成のプログラムは順調に進み、現在は自然冷却の段階になりました。さて焼き上がりはどうでしょうか。


12月9日(金) 本焼き完了 油滴釉の陶の作品をUPしました

弱還元焼成の予定がガスホースの折れのため断念。酸化焼成で焼き上げましたが、結果はオーライ。油滴釉の表情はとてもよいです。なぜ今まで取り組まなかったのかと反省するくらいです。詳しくは別ページでご覧ください。
土で作る楽しみ 令和4年12月の作品


12月14日(水) ガスバーナーのホースの修理

ネットで内径、外径が同じホースを探しましたが完全にぴったりの物はなく、仕方なく近いものを購入。やはり少しサイズが違うので水道栓の工事で使うシールテープを巻いてセット。ボンベを付けてテストすると少しでも緩いとガスが漏れてしまいます。完全にぴったりにして押し込み、接続部の外側にも巻き付けました。この段階でガス漏れはなかったのですが、シールテープが解けてくるのでビニールテープで頑丈に巻き付け、さらにビニールテープが解けないようにセロテープで端を巻き付けておきました。これで当分は大丈夫のように思えます。今度はガスを入れての還元焼成を目指します。


令和5年 1月1日(日) 火の神様、今年もよろしくお願いいたします。

何とか年末に作品を仕上げることができ安堵感がいっぱいですが、この調子で今年はさらにたくさんの作品作りに挑戦できるようにと火の神様にお願いしました。前回焼成後は次回は還元焼成を予定していましたが、油滴の結晶釉が人気で嫁入りしたものがいくつもあるので、もう一度結晶釉で酸化焼成、徐冷での結晶の成長に取り組んでみたいと思う気持ちが強くなってきました。これから雪の日が多くなるので、出歩かず成形に集中してみようかと思っています。

1月25日(水) 次の制作に向けての粘土練り

大寒波のため日中も氷点下です。ウォーキングマシンで30分歩き、筋力トレーニングで体を慣らした後、家の前の雪を除け、そしてやっと陶芸の粘土練りに取り組みました。粘土は赤土、白土、赤鉄砂土の3種類をブレンドしていますが、前回の制作で白土がなくなったので購入してある粘土の箱を開けてみると、かなり固くなっていて練るのは無理。こういうときは細かく刻んで水に漬け、1日ほど様子を見るのが得策です。赤土と鉄砂土は水を打って練りました。白土の状態次第ですが、すべて合わせて練るのは明日以降です。


1月26日(木) 粘土練りは完了 夜は気力があればろくろ成形か?

大寒波の峠は過ぎたようです。雪が緩んできたのは嬉しいですが、道路はぐじゃぐじゃになり車は走りにくくなりました。今日の作業は昨日の続きです。まずは水を含ませておいた白土を練りました。固い所とべちゃべちゃの所が混じった土ですから練り上げるのに時間と労力が掛かりました。その後、赤土と鉄砂土も混ぜ、最終的には菊練りで粘土の中の空気を押し出しました。最終的に粘土を押したのは合計1000回近くはあるかと思います。練りは完了ですが夜になってしまったので成形は無理かもしれません。一晩寝かすと粘土はしっとりと落ち着くので、慌てない方がよいかもしれません。


1月29日(日) 少しずつ成形中 高台に変化を

今日は一日中雪が降り夕方になっても止まず、道路はわだち状態です。午後から削りをして、今日までに15個の成形、削りを終えました。ペースとしてはよい方ですが、大小合わせて総数で30個は欲しいのでまだまだというところです。今回も引き続き油滴釉に取り組む予定ですが、古来の油滴天目の器の形式にこだわらずに自由にモダンな形でできないかと成形も取組中です。それにしても雪がひどく大雪警報が出るまでに至りました。明日も成形作業の合間に雪除けをするという形になりそうです。


2月2日(木) 今日も8個底削りをして成形は計23個 もう1回やろう

今日は天気がよかったので午前中はグリーンセンターにウォーキングに行きました。午後から底削り開始。まだ胎土が柔らかかったので、少しずつ削って順次乾かしながらローテーションする形となりました。柔らかい時に無理して削ると絶対に失敗します。削りに適した固さ、柔らかさを見極めるのは基本です。素焼きに至る数としてはまだ足りません。30個以上は必要ですからもう1回成形と削りが必要です。今回の本焼きは油滴釉で全て1240℃の弱還元を考えていて他の釉薬作品と併せて焼くことは考えていないというかなり攻めた焼成になりそうです。


2月5日(日) 底割れ防止で底から乾燥 乾燥後は素焼きです

1日に4個ずつ成形して順次底削りをし31個成形完了です。これでやっと素焼きできる数になりました。手取りをよくするために器の底はかなり薄く削っていますが、底割れの危険は増します。底割れしないように底を上にして底から乾燥させています。どの器も口辺はスッポン口にしてありますが、どの形が油滴釉に似合うか少しずつ形を変えて成形しています。たくさん作っても釉薬の融け方が悪かったりして失敗するものも出てくるので数多く作っておくことは大切です。今後、乾燥させ素焼きとなります。


2月7日(火) 素焼き開始 15:30〜

逆さまに伏せて乾燥させたせいか、高台底が微妙に凸凹しているものがあるので、底擦りをしてから窯詰めをしました。3段だけで完了し、窯には余裕がありますが、今回の本焼きでの焼成は前回と同様に1240℃まで上げた後、ゆっくり長時間徐冷のパターンなので使うのは油滴釉のみとし、他の釉薬は使わないため成形作品数としては十分OKという状況です。800℃まで上げて終了です。


2月8日(水) 素焼き後の鋭角の部分のペーパー掛け 洗い そして選別

素焼きが完了し、冷却後は1個ずつペーパー掛けをしました。前回の焼成では幾つかに釉剥がれがあったので素焼きの胎土の粗さは極力抑えておこうという作戦です。胎土に鉄砂土を混成しているため鉄粒の飛び出しがありますがこれの放置はまずいです。また成形時、粘土の角が鋭角になると焼成後は鋭角の角度が増すという特性があるので、特に口辺については少し丸く抑えておく方が失敗しにくいというものです。ペーパー掛け後はたわしを使って丁寧に水洗い。これは釉剥がれ、釉縮み防止の基本です。乾燥のため器を並べた後は、本焼きに向けてそれぞれの器を「小豆油滴」「銀油滴」のどちらにするか振り分けました。今回は銀油滴にトライの回なので銀油滴の方が数は多くなりました。明日以降、釉掛けが始まります。


2月9日(木) 釉掛け完了 気泡は息で吹き飛ばすことでOKなのか?

時間に余裕があったので一気に釉掛けをしました。まずは九隆庵のマークを書いて撥水材でコーティング。その後「小豆油滴釉」「銀油滴釉」の順で釉掛けを行いました。「小豆油滴釉」は粘度が高くだまになりがちなので苦労しました。「銀油滴釉」は割とさらっとしていたので釉掛けは楽でしたが、さらっとしているだけに釉の厚みには気を使いました。油滴釉の器は見込みの出来が問われるので、内側の釉の厚さをしっかり確保しました。釉掛けの際、釉の水分を吸い込むための反作用として胎土から気泡が出ますが、これをできるだけ抑えることが大事なので、できた気泡はすぐに強く口で吹いて吹き飛ばしました。十分ではありませんがやれるだけはやりました。胎土に水分が残っていると釉浮きがありそうなので十分に乾燥させてから本焼き開始です。


2月11日(土) 本焼き開始 酸化焼成で1240℃ 徐冷 窯に頼る謙虚な気持ち

釉掛けした器がしっかり乾いたので、釉薬が垂れて厚掛けになっているところなどを削って修正して窯に詰め、本焼き開始です。今回も1240℃まで上げ徐冷です。最初は弱還元を考えていたのですが、調べてみると還元では鉄から出る酸化ガスが窯内の還元の雰囲気のため釉の外に出て行ってしまい油滴が出にくいという話が多くあったので、とりあえず成功率が高い酸化焼成にすることにしました。曜変天目などは酸化と還元の中間ぐらいで焼いていたのではという説もあるので、将来取り組むべき課題ではあります。1240℃までは13時間、1時間練らして1150℃まで2時間で徐冷し2時間の練らし、以後は自然冷却のパターンです。毎回そうですが焼き物は火が作る作品なので「失敗してもともと」と窯に頼る謙虚な気持ちになります。


2月12日(日) 1240℃到達 徐冷は慎重に 573℃に注意

夜中の2:20に1240℃に到達。流石に高温なので寝ずに起きていて見守りました。もしプログラムが誤作動して高温になり過ぎたら窯は爆発してしまいますからね。1時間の練らしの後冷却プログラムに移ったのを確認して寝ました。窯の上部は赤くなっていて凄い熱です。11:30に573℃まで下がりました。素地に含まれている石英が573℃で構造変化(酸素原子とケイ素原子の並び方が変わる)を起こし収縮が増すので、この辺りの温度帯での停電などの電気トラブルは厳禁です。ここでもしばらく見守りました。270℃辺りでももう一度収縮が起こりますが、573℃ほどではないのでここはスルーです。現在まだ450℃あるので窯出しはまだまだです。


2月13日(月) 窯出ししました よい出来もあればいまいちもあり

釉はよく溶けていて光沢がよいです。肝心の油滴もかなりよい出来でした。作品として納得できるものが6個ほどありました。残りもまあまあの出来でしたが1ミリ以下の釉抜けがあったり口辺の釉が薄くなっていたりしたものがあったので少し残念でした。粘土の粗さが原因かもしれないので次回からは粘土には赤鉄砂土は入れずに水簸粘土だけを使おうかと思います。それでもだめなら練らし時間をさらに長く取ることも考えないといけません。差し当たって作品のUPをしないといけないのですが、時間と手間が掛かるのでぼちぼち行きたいと思います。


2月20日(月) 成形開始 今度は女性的な赤色の器作り

前回の油滴釉はなかなかよい感じでした。今度は趣をガラッと変えて赤い釉薬での焼成を目指すことにしました。赤の器は絵付けで作ったことはありますが赤い釉薬は初めてです。油滴の無骨な感じではなくほっこりとした女性的な優美な感じが表現できたらよいかなと思います。胴は少しふくよかで口辺には僅かに反りを入れました。この形に赤の釉がのるとなかなか印象的かなと勝手に思っています。なお赤は奥に少し黒が隠れて入っている渋い赤を予定しています。今日は削りで出た粘土(水を含ませて寝かしておいたもの)がそこそこ水が浸み渡っていたので練り上げてみると意外と成形に使えました。粘土の管理をきちんとしておくことは大事です。


2月21日(火) 底削り8個分 口辺を僅かに反らし腰は絞って!

悪い天気。急に雪が強くなって吹雪いたかと思えば晴れ間が見えたり。とにかく寒いので午後からようやく底削りを開始。8個ですがじっくり時間を掛けて削りました。今回は「ほっこり」の形をいかに表現するかがテーマ。湯呑も口辺を僅かに反らし腰は絞っています。右はぐい呑みですがこんな形でも赤色となれば結構インパクトあるかもです。今日は削りでしたが明日は成形の日とします。


2月24日(金) 3時から成形8個 ほっこりの形

成形は午後3時から開始。粘土の状態はほぼ良好だったので軽く練ってからすぐに成形を開始。順調な滑り出しですが4個ほど作ってからは土殺しをしても芯にやや固めの粘土が混じるようになり成形には苦労しました。形は「ほっこり」が目標なので全体に丸みを帯びています。写真2のようなやや妖艶な感じのものも作ってみました。これに赤釉をのせるとどんな感じになるか楽しみです。なお、22日は畑作業で目いっぱいになり、その反動で疲れて寒気がして23日はほとんど寝ていました。


2月26日(日) 赤釉に合う形を見つけ出すためにいろいろな形を成形

24日分の作品の底削りは昨日に完了済み。今日は気ままに色々な形を7個だけ成形しました。赤釉に合う形が見付かるとよいかと思います。また成形しながら思うのは、器の内側のこと。内側も外側も赤にするのが簡単ですが、内は白化粧土+透明釉または透明釉だけにするかで雰囲気はかなり変わってきてしまいます。あまり作為的にしない方が趣があるかと思いますが難しい選択です。幾つかは少しだけ雰囲気を変えてやってみようかとは思っています。


3月13日(月) 今日は7個ろくろびきしたので計33個まで成形進行中

今日は天気が悪く最高気温は9℃程度。雨後で畑など全くできない状態なので作陶日となりました。粘土は先日しっかりたくさん練っておいて4個に分けておいたのですぐに作業に取り掛かれました。そのうちの1個分を使って7個ろくろびきで終了としました。今日の成形分は明日に底削りとなりますが、これが終われば成形数は合計33個となります。素焼きに入れる数が揃ってきましたが、さらに数を増やすかは全体の量を見て、そしてやる気が出るかどうかで考えることにしました。


3月16日(木) 黒豆などの黒い食材を引き立てる赤の平皿の成形

素焼きをするための成形の数が揃ってきましたが、窯の最上部には若干余裕がありそうなので今日は平皿を成形しました。ろくろではなくたたら成形です。丁度よい大きさの植木鉢の鉢皿でしかも底が平らなものを家の周りでやっと見つけ出し、底の凸凹をペーパーで削り落としました。粘土は厚さ4ミリのたたらにし、鉢皿に沿って切り抜きました。くっ付き防止のため板の下には木綿の布を敷くことを忘れずに。鉢皿にタイツを輪切りで切ったものを被せ、その上に切った円形のたたらを中心を出して載せ、口辺の反りを手の平や親指で丁寧に押して成形。板を上に載せひっくり返し、鉢皿を外せば完了。口辺がきれいにできていませんが口辺の仕上げは触っても形が歪まない程度に乾いてからで十分です。皿の中央部が反ったり、逆に底方向に飛び出したりすることがあるので、完全に乾くまでは様子見が必要です。WBCを見ながら様子見をします。


3月23日(木) 素焼き開始 9割程度窯は埋まりました

夕方から窯詰めして素焼きを開始しました。窯の埋まり具合はほぼ予定通りでした。写真はありませんが4段目には平皿を並べました。午後7時50分で230℃。このまま上昇を続け800℃で終了です。150℃辺りで水分は抜けていますがもうしばらく栓はせず、300℃を超えたら下栓、上栓を閉めます。栓をすると温度が上がりやすくなるとともに臭さも防げます。予定では全部赤の釉薬にしようかと思っていましたが、使い道が限られるので、他の釉薬も使おうかなと思案中です。


3月25日(土) 素焼きの窯出し ペーパー掛けと洗い 釉薬の選定

素焼きの窯出しが完了。表面や口辺の荒れをペーパーで抑え、水洗いをして粉をきれいに落としました。粉は釉剥がれの原因になるので慎重に行いました。当初は全て鉄赤釉を掛ける予定でしたが、赤ばっかりでは用途が限られるので、他の釉薬も掛けることにしました。現在の釉薬の候補は「鉄赤釉」「油滴釉」「藁灰白萩釉」、そして「白天目釉」ですが、直前に気が変わるかもしれません。今回の本焼きは前回の1240℃より10℃下げた1230℃とし、練らしに時間を取り、徐冷も行い鉄赤釉の徐冷効果を確認します。同時に油滴釉も1230℃でOKなら以後は1230℃の設定で焼こうかというところです。釉掛けは明日以降です。


3月26日(日) 撥水材が余計な所に付いてしまったときの対応

九隆庵のマークを書きその上に撥水材を乗せました。1カ所撥水材が飛び釉を掛ける場所に付いてしまいました。これはまずいです。このままでは釉が抜けてしまいます。削っても効果は確実でないのでバーナーで焼くことにしました。素焼きなので熱変化には強いです。撥水材や周りの色が変わり焼けた感じになりました。試しに水を付けてみると水が浸み込んでいくのでこれでOKです。このあと釉掛けを続行しました。明日には釉掛けが完了して窯詰め、火入れとなります。


3月27日(月) 釉薬の剥がれや汚れなどを修正して窯詰め 本焼き開始 

今回の施釉は赤鉄系、藁灰系なので道具は汚れやすくなり、また触るとポロポロ剥がれるのでなかなか注意が必要でした。釉が溜まり厚掛けになったところは削り落としたり、反対に欠けたところは筆で釉を置いたりしました。藁灰白萩釉の掛け分けでは、底が厚掛けになったので削り落としたりもしました。撥水材を塗った皿は予想より撥水材が効かず撥水材の中に釉が入り込んだような感じになり、釉剥がし刷毛では不十分なため濡れスポンジで拭いたら余計にひどくなったりして困りました。結構な時間を掛けたあと窯詰めし本焼き開始。1230℃まで13時間、その後5時間掛けて徐冷し、自然冷却開始は18時間後になります。


4月5日(水) 4月の作品をUPしました

今回は「赤の釉薬に合う形」というテーマで、成形、素焼き、本焼きとこなしてきましたが、結果はほぼ失敗でした。赤は予想していた赤よりずっと暗く、しかも釉薬がひどく溶けて垂れてしまいました。今回の本焼きでは最高温度を1230℃と通常の焼成温度にし、1時間練らして1150℃まで2時間で徐冷、2時間の練らし、以後自然冷却とという冷却に重きを置いた焼成でした。赤色は釉が薄い部分に複雑な発色があるので、釉薬の厚掛けが原因としてあげられると思います。また釉が垂れたのは1時間の練らしと長い徐冷時間に原因があるかと思います。残念な結果ですが作品をじっくりと見ていると「まあこれもいいか。」という気になるのが不思議です。「鉄赤釉」の他に「藁灰白萩釉」「油滴釉」も試しましたが、それが鉄赤釉の失敗を完全にカバーしてくれて助かりました。特に「藁灰白萩釉」の掛け分けはこれまでのノウハウが生きてよい雰囲気となりました。「油滴釉」は油滴が小粒でしたがよい雰囲気でした。


5月19日(金) 釉薬が貼り付いた棚板の修復

4月の焼成で赤の釉薬が流れて棚板に貼り付いたので修復しました。相当酷い貼り付き方でしたが、タガネと金槌を使って叩くとザクザク剥がれました。しっかりアルミナのコーティングが効いていました。ペーパーをかけて表面をきれいにした後、水で溶いたアルミナを塗りましたが、削った分だけ凹んでいるのでドライヤーで乾かしながらの塗り重ねとなりました。しかしアルミナはしっかり塗っておくことで今回のような事態でも助かるので面倒でも必須の作業です。ついでに他の棚板も全部塗っておきました。次回は釉流れにならないように温度管理を再考します。